研究分担者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 宙空電波研究センター, 教授 (30026249)
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
岩田 徹 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (10304338)
橋口 浩之 京都大学, 宙空電波研究センター, 助教授 (90293943)
|
研究概要 |
ドップラーソーダーの小型化,および音波パルスのビームの指向性,受信能力,風速の分解能の向上などを目的として,現在の開口合成ドプラーソーダーに改良を加え,平成12年度に車載可能な試作品を完成させたあと,長期や観測に向けて連続した性能試験を引き続き行ない,十分な耐久性を持つ観測機器であることが証明された. 本年度は,9月から10月にかけて琵琶湖東岸での水・エネルギー循環に関する大気境界層における観測に参加した.この観測では,もう一台のソーダーを併用して,湖陸風などの局地風循環に関する立体構造や大気境界層内の組織構造の観測を実施した.同時に観測された,地表付近での顕熱や潜熱の乱流輸送量の日変化をあわせて解析することにより,湖陸風の発達など,大気境界層とくに接地層の日変化を定量的に解析できた.1月からは,防災研究所の大潟波浪観測所(新潟県大潟町)において,冬期季節風の海上風の発達、極地循環の立体構造についての観測を実施した.その結果,季節風の発達期には,日本海沿岸部の上空において,陸風と海風の衝突が発生して,その収束線が移動することが鮮明に観測された.これらのいくつかの観測を通じて,車載型ドプラーソーダーの観測システムは安定して作動しており,機動性のある観測機器であること,長期にわたっての観測においても,保守なしの観測にも耐えうることが証明された.
|