本年度は、超微小硬度計と原子間力顕微鏡を一体化した試作力学装置(ライダー2)の使用法に関して種々の情報を集めた。特に、原子間力顕微鏡と超微小硬度計の制御コンピュータにいろいろ問題があることが判明し、製作側のアカシの技術者にその問題点を指摘した。問題点は以下の通り。 1.格子点で硬度を連続的に測定するプログラミングに問題があり、碁盤の目のような測定点にならなかった。このプログラムの不調は研究能率を大いに阻害したので、改良を強く要求した。プログラム上の問題なので、解決は比較的容易の見込みである。 2.原子間力顕微鏡を使用しているときには、超微小硬度計のデータを処理・加工するすることができないことがわかった。これも作業能率が著しく落ちるので、改良を要求した。これもプログラム上の問題である。解決は容易の見込み。 3.ライダー2のカバーが重たくて、取っ手がないと持ち上げにくいことがわかった。これは体裁上の問題であり、昨日とは直接関係がないが、意外と不便である。 4.深度-荷重関係のスタンダード試料を使用して、詳細に深度-荷重カーブを調べたが、厳密な意味で2乗のカーブに乗っていなかった。これは、ライダー2自体が歪んでいるからかも知れない。さらなる検討が必要である。この問題はライダー2にとって非常に重要で、これがはっきりしないと、結局は何を測っているのか分からなくなる。まだ検討が足りないことは明白であり、今後この問題の解決が焦点となる。
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