研究課題/領域番号 |
12355006
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清水 真佐男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051565)
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研究分担者 |
栄 中 九州大学, 工学部, 助教授 (00253477)
小茂鳥 潤 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30225586)
鈴木 哲也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10286635)
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
久保田 祐信 九州大学, 工学部, 助手 (50284534)
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キーワード | 高速車両用輪軸 / 耐久性向上 / フレッチング疲労 / ハイブリッド表面改質 / 車軸探傷検査周期 / 検出技術の高精度・高能率化 |
研究概要 |
1.鉄道車軸の車輪圧入輪座縁端部に生じるフレッチング疲労きれつを定量評価する研究を行った。波形整形法を組み合わせた表面SH波を用いる新しい超音波探傷法を開発し、この方法で実体車軸の疲労試験で生じた疲労きれつのきれつ高さを精度よく定量評価できることを実証した。 2.高炭素クロム軸受け鋼(SUJ2)を用いて、一定振幅荷重における表面破壊型の疲労限度をはさむ応力レベルによる2段2重振幅および2段繰返し変動荷重試験を行った。長寿命域の内部破壊による損傷を考慮しないで100万回で定義した従来の疲労限度を用いたS-N曲線により算出される累積損傷値では、疲労寿命をうまく評価できなかった。また、表面破壊型のS-N曲線を疲労限度以下に延長した従来の修正マイナーの考え方によっても同様に過小評価となった。 3.車軸のフレッティング疲労き裂の発生機構を明らかにするために、有限要素法による3次元完全弾性応力解析を行った。最大せん断応力は接触端部からはめ合い部の内側10mm程度まで高い値を示し、その範囲でき裂の発生する条件を満たしていると考えられる。最大主応力は接触端部から5mm程度内側まで高い値を示し、き裂はこの範囲で進展すると考えられる。この機構は実験で観察された接触面の内側にき裂が発生する事実をよく説明できる。接触端部においては、最大せん断応力、最大主応力ともに最も高い値を示したが、実験ではき裂が観察されなかった。これは端部ではフレッティング摩耗が大きく、発生したき裂が削り取られるためと考えられる。 4.新しいハイブリッド表面改質プロセスとして浸炭とWPCの組み合わせを提案し,それらの材料の疲労過程を詳細に調べた.その結果,浸炭とWPCを組み合わせることにより,単一の処理では得ることのできない高強度化が実現されることが明らかとなった.さらにその理由について組織学的観点から説明を加えた.
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