研究分担者 |
栄 中 九州大学, 工学部, 助教授 (00253477)
小茂鳥 潤 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30225586)
鈴木 哲也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10286635)
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
久保田 祐信 九州大学, 工学部, 助手 (50284534)
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研究概要 |
新幹線車軸の車輪はめ合い部に生じるフレッチング疲労き裂を、き裂エコーと不要エコーを明確に識別し、き裂高さを定量評価する探傷法について研究を行った。具体的には,フレッチング疲労き裂の探傷に表面SH波と波形整形法を組み合わせる方法を考案した。具体的には表面SH波を用いてきずからのエコー波形を1波のサイン波形に波形整形法を用いることによって、不要エコーときずエコーの区別が容易になることが明確になった。その結果,きずからのエコー波が2波に分かれる時間間隔から、きずの高さ1mm以上のきずを定量評価することが可能になった。 また、超長寿命域の疲労特性の解明に向けて,高硬度鋼SUJ2材を用いた疲労試験を行った。具体的には,長寿命疲労特性を明らかにするとともに、有限寿命域と疲労限度以下の領域を挟む変動荷重試験を実施し、長寿命疲労特性に及ぼす荷重変動の影響を明らかにした。また、疲労き裂進展挙動の微視的観察よりき裂進展遅延機構を解明した。 将来の高速車両用車軸として、ショットピーニングと表面圧延を組合せたハイブリッド表面改質車軸が検討されている。このようなハイブリッド表面改質車軸にき裂が発生した場合の進展性に関する評価を行うことを目的として、実物車軸による疲労試験を行い,その安全性を明確にした. さらに,新しいハイブリッド表面改質材を作り出すことを目的として,浸炭と超微粒子ピーニングを組み合わせた処理を提案し,それにより疲労強度が大幅に上昇すること,さらにその上昇メカニズムについて,試験片表面に生起する残留応力の挙動と関連づけて明確にした.
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