研究概要 |
1.新しい薄膜金属ガラスの成膜(担当:和田,秦) 低抵抗化を目指して,Cu基の薄膜金属ガラスの成膜に成功したが,抵抗率は約160μΩ・cmと,Pd基薄膜金属ガラスの2倍以上であり,低抵抗化には至らなかった. 2.薄膜金属ガラスの内部応力緩和(担当:秦) 成膜した薄膜金属ガラスの内部応力が,過冷却液体域での焼なましにより緩和される過程を実験的に明らかとした.その結果,ガラス転移点での焼なましょり,Pd基およびZr基薄膜金属ガラスともに,90秒間の加熱保持により,ほぼ完全に内部応力が緩和できることが明らかとなった. 3.薄膜金属ガラスの高精度微細成形(担当:佐藤,秦) 赤外線真空加熱装置やレーザマイクロ加熱装置を用いて前年度までに製作法を確立した微細片持はりを高精度に変形させる方法について検討した.ジグにより弾性変形させた微細はりを,赤外線真空加熱装置により過冷却液体域に加熱し,弾性応力を緩和させ曲はりとする方法を確立した.また,レーザマイクロ加熱装置により,片持はりの部を局所加熱し,局部的に変形させることにより,90°曲はりや90°ねじりはりの製作に成功した. 4.プローブピンの試作I(担当:和田) 以上の検討を元に,ジグによる成形方法でプローブピンの試作を行い,長さ200μm,幅50μm,厚さ5μm,高さ150μmの曲はりからなるプローブピンをピッチ100μmで12本,基板上に製作した,各プローブピンの高さのばらつきは,0.62μmであった.また,同様のプロセスにより,一基板上に1000本の曲りマイクロプローブを製作することにも成功した.
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