研究概要 |
1.薄膜金属ガラスの低抵抗化(担当:秦,佐藤,下河辺) 薄膜金属ガラスの低抵抗化を目指して,Pd_<76>Cu_6Si_<18>の加熱処理による構造緩和,ナノ結晶化による低抵抗化を行った.検討の結果,as-sputterの状態では,63.7μΩ・cmであった抵抗率を,633K,2,100sの加熱処理により脆化すること無く46.5μΩ・cmと,約27%の抵抗率低下に成功した.さらにX線回折による詳細な検討の結果,加熱処理により脆化しない組織は,アモルファス相と,γ-(Pd-Cu)およびPdの結晶相との混在した組織であるのに対して,脆化した組織は,γ-(Pd-Cu),PdおよびPd_3Si,Pd_4Siが析出した組織であり,PdSiの析出をいかに抑制するかが,今後の課題であることを示した. 2.プローブピンの試作II(担当:和田,佐藤,下河辺) これまでの検討を元に,最終的なプローブピンの試作を行った.製作したプローブピンは,プローブ部長さ400μm,立上り高さ200μm,幅は50μm等数種を製作した.いずれもオーバドライブ量100μmにおいて,Alパッドとの接触抵抗は3Ω以下,1ピン当たりの接触荷重は1mNを達成した.さらに30万回のタッチダウンテストにより荷重およびピン形状に変化が無く,十分な耐久性を有することを明らかとした.また,Auバンプを用いた基板への実装方法も検討し,1,000本以上の高集積化も可能であることが示された. 3.研究の総括(全員) 今後の課題について総括し,以下の課題をあきらかとした. (1)ピン破損時のリペア方法 (2)オーバドライブ量を低減し,さらなる低荷重化と接触抵抗の安定化 (3)さらなる薄膜金属ガラスの低抵抗化
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