研究分担者 |
中島 健 神戸大学, 工学部, 教授 (30031090)
芝原 正彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294045)
赤松 史光 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10231812)
足立 正之 堀場製作所, エンジン計測開発部, 部長(研究職)
池田 裕二 神戸大学, 機器分析センター, 助教授 (10212789)
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研究概要 |
大阪大学:火炎の局所的な温度測定は,燃焼現象の詳細な解明に不可欠である.そのため,非接触計測が可能な光学計測法の研究が数多くなされてきた.それらの研究のひとつとして,火炎からの自発光を用いた温度計測法がある.炭化水素を燃料とした火炎中に生成する主なラジカルとしてはOH^*, CH^*, C2^*が挙げられるが,これらのうちC2^*のSwanバンドの強度比は,火炎の温度と相関があるという報告がある.このような方法によって,火炎中の局所の温度が測定できれば,レーザ光源などの大掛かりな装置を使う必要がないため,多くの分野での応用が期待できる.本研究では,カセグレン光学系と高速波長分離器および回折格子分光器を用いて,層流火炎から得られる局所のC2^*自発光強度と温度を計測し,その相関について実験的に調べた. 神戸大学:乱流予混合火炎の局所構造の解明を目指して,局所的なOH^*,CH^*,C2^*自発光の定量化と励起ラジカルと物理化学パラメータの相関を実験的に解析することを目的とした.前年度において開発を行った高速分光システムを用いて,予混合乱流火炎の火炎チップとコーンにおける局所自発光の時系列計測を行った.局所の当量比の時系列計測と同時に火炎の通過周波数計測も行った.フローループで設定した当量比φ=1.0に対して,自発光から求めた当量比の値はφ=0.95(OH/CH)±0.07となり,乱流火炎での局所の火炎構造の解明が可能であることを示した.また,火炎の先端において,2kHzでピークを持つ変動が生じていることを見出した.次に,火炎面の移動速度と方向の解析を試みた.カセグレン光学系の集光用ファイバをバンドル化することにより,乱流予混合火炎の任意の異なる3点におけるOH^*自発光を同時計測した.この計測結果により,乱流火炎における局所的な火炎面は,流れ場とは異なり独立した速度と方向で変動していることが確認された.
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