研究課題/領域番号 |
12355013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
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研究分担者 |
尾形 敦 経済産業省産業技術総合研究所, 資源環境技術総合研究所, 研究職
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
清水 一男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282681)
小野 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90323443)
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キーワード | 非熱平衡プラズマ / 環境改善技術 / トリクレン処理 / 窒素酸化物処理 / 触媒併用 / 酸化チタン / 酸化バナジウム |
研究概要 |
本研究は、4カ年計画で開始され、その初年度にあたる平成12年度には、従来の大気圧非熱平衡プラズマによるガス処理技術の見直しから開始され、最適リアクターの条件、触媒併用方式の検討などがなされた。シックハウス症候群問題で話題となった揮発性有機物(VOC)の処理に関しては、大気中100ppm、あるいは、1,000ppmの低濃度トリクロロエチレンの分解に焦点を絞って各種の研究がなされた。リアクターに関しては、放電電極に山形のねじ溝が一様に付いているボルト型放電極を用いたバリア放電リアクターが最も高いエネルギー効率を示すことが実験的に確認された。また、その最適動作周波数は、商用周波数であること、反対に、オゾン作成に関しては、より高い放電電力が望ましく、また、その折りの最適周波数は、500Hz程度と異なることが明らかにされた。プラズマ放電領域に触媒を挿入した場合の実験においては、アルミナを主成分としたコージエライトはほとんど効果がないこと、窒素酸化物分解に効果があるとされているゼオライト(ディスク状に焼き固めたもの)では、トリクレンの吸着効果が大きく、放電による分解性能を見極めることが難しいこと、酸化チタンを球状に固めたものでは、吸着効果があると同時に、ある程度の分解効果が認められた。特に、酸化バナジウムを浸潤させた酸化チタン球状粒子では、トリクレン除去効果が特に大きいこと、反面、中間生成物の残留が大きいこと等が明らかとなった。また、窒素酸化物対策としては、大容量向きの平板型リアクターを開発し、触媒添加を含めて実用可能なことを実証することが出来た。更に、エキシマレーザ励起LIFによってパルス放電プラズマで生成されるOHラジカルの2次元分布測定に世界で初めて成功した。
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