研究課題/領域番号 |
12355014
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20016463)
|
研究分担者 |
平山 昌樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70250701)
|
キーワード | LSI / RLSA / シャワープレート / クラスターツール / 段階投資 / 半導体生産 / マイクロ波プラズマ / エッチング |
研究概要 |
次世代グローバルネットワーク時代を支える圧倒的な情報処理能力を有する少量多品種カスタムLSIを高効率量産する経済性に優れた小規模段階投資型生産ラインを実現するために半導体製造装置に課せられる要件として、高度なプロセスを高速に行える以外に、優れた汎用性を有すること、全ての微細化世代に対応すること、機差が無く完全な再現性を有することが挙げられる。本年度は、我々がこれまで開発してきたRLSA(Radial Line Slot Antenna)を搭載したマイクロ波プラズマ装置に2段シャワープレート構造を新たに導入した画期的なプロセス装置の開発を行った。本装置は、高密度で非常に電子温度の低いプラズマをマイクロ波によって生成し、プラズマの拡散領域に格子状シャワープレートを設置してプロセス用ガスをウェーハに向かって放出することにより、プロセスガスの過剰解離を適度に抑制した理想的なプロセスを実現するものであり、上述した要請を全て満たしうる唯一のプラズマ装置である。既存の3次元立体化クラスターツールに搭載可能なコンパクトなエッチング用チャンバを製作し、プラズマの詳細な評価と、Ar/C_4F_8/CO/O_2ガスを用いたシリコン酸化膜エッチングプロセスの開発を行った。本装置の実現にあたっては、格子状シャワープレートの導入によりウェーハ周辺のプラズマ密度が大幅に減少することが危惧されていたが、シミュレーション通り、7割程度の減少であることが判明し、十分実用に耐えうるプロセス速度が得られることが明らかになった。荷電粒子の衝突によるシャワープレートの加熱が最後に残された課題であるが、スパッタによる重金属の汚染等の問題は全くなく、格子状シャワープレートの設計論の確立まで後一歩のところまできている。さらに、マイクロ波供給部の構造を最適化することにより、これまでのマイクロ波励起プラズマ装置で問題になっていた異常放電やプラズマ不安定性を完全に除去することにより成功した。現在、本装置を用いてシリコン酸化膜のエッチングプロセスの最適化を行っている最中である。
|