研究分担者 |
石川 浩 (株)富士通研究所, 基盤研究所, 主任研究員
北田 貴弘 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90283738)
下村 哲 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (30201560)
大坪 孝二 (株)富士通研究所, 基盤研究所, 研究員
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研究概要 |
(775)B等,(nnl)A,(nnl)B高指数面基板上に分子線結晶成長(MBE)によって自然形成型InGaAs量子細線結晶を作製し,発振波長850nmの偏光モードの安定した面発光型量子細線レーザの開発を目指して,研究を進めている。 (1)(221)A In_<0.24>Ga_<0.76>As混晶基板上の自然形成型In_<0.24>Ga_<0.76>As/In_<0.24>Al_<0.76>As量子細線 (221)A In_<0.24>Ga_<0.76>As混晶基板を用いて、二元結晶基板では得られない大きなバンドオフセット、大きな横方向閉じ込めエネルギーを持った自然形成型In_<0.24>Ga_<0.76>As/In_<0.24>Al_<0.76>As量子細線を作製した。平均膜厚3nmの量子細線層から測定温度12Kにおいて、発光波長848nm,半値幅35meV,偏光度0.25のホトルミネッセンスが得られた。850nm帯の量子細線材料で最も大きな偏光を有していることを明らかにした。 (2)(775)B InGaAs量子細線面発光レーザの偏波面安定性 活性層に(775)B In_<0.1>Gl_<0.9>As/(GaAs)_6(AlAs)_1量子細線層5層,基板側にAlAs/Al_<0.15>Ga_<0.85>As 28組みのDBRミラー,表面側にAIAs/Al_<0.15>Ga_<0.85>As 24組みのDBR出射ミラーからなる面発光レーザを作製し、光励起強度に対するルミネッセンスの偏光安定性を調べた。細線に対して平行な成分のルミネッセンス(λ=830nm)は、光励起強度2.5kW/cm^2で発振を示し、今回の測定の最大励起強度4.3kW/cm^2までルミネッセンス強度は単調に増大した。細線に対して垂直な偏波成分をもつルミネッセンス強度には、発振による増大はまったく見られなかった。このことは、偏波の安定したレーザ発振が(775)B InGaAs量子細線面発光レーザで得られることを示している。
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