研究分担者 |
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40242002)
島 弘 高知工科大学, 工学部, 教授 (00196461)
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
大内 雅博 高知工科大学, 工学部, 講師 (80301125)
岸 利治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90251339)
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研究概要 |
コンクリート中の物質・エネルギーの生成・保存と移動問題を取扱う三次元有限要素法解析プログラムの適用範囲の拡張および精度の向上を目指した研究を行った。これまであまり検討されてこなかった,粉体量が多く初期欠陥が生じにくい自己充填コンクリートについて,耐久性に大きな影響を及ぼす要因として塩化物イオン浸透抵抗性およびクリープを主に着目し,実験方法の開発および材料・配合がコンクリートの性状に及ぼす影響の検討を行った。 (1)材齢初期におけるクリープ 従来の方法では区別が不可能であった,収縮とクリープひずみを分離して測定する新しい方法の開発を行った。本方法を用いて,材齢初期のクリープ性状についてセメントの鉱物組成の影響について検討を行ったが,明確な影響は認められなかった。 (2)自己充填コンクリートの塩化物イオン浸透抵抗性 石灰石微粉末を混入した自己充填コンクリートは,粉体量が多くブリージング量が極めて小さいために,普通コンクリートと比較して,同じ水セメント比ならば明らかに高い塩化物イオン浸透抵抗性を示すことを,沿岸部と同様の条件で設定した塩水噴霧・および塩化物の測定試験により確認した。さらに,解析をする際の境界条件の設定方法について検討を行った。 この他,耐久性照査シミュレーションの前提となる材料・配合がフレッシュ時の材料分離に及ぼす影響について,高性能AE減水剤,およびエントレインドエアの影響を実験結果から検討した。エントレインドエア自体が材料分離抵抗性に及ぼす影響は認められなかった。
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