研究課題/領域番号 |
12355022
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田邉 新一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30188362)
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研究分担者 |
中野 淳太 早稲田大学, 理工学部, 助手 (30350482)
尾関 義一 旭硝子株式会社, 中央研究所, 主席研究員
永井 正則 山梨県環境科学研究所, 環境生理学研究室, 室長 (40110027)
西原 直枝 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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キーワード | 熱的快適性 / 数値計算 / 体温調節モデル / CFD / 日射 / 被験者実験 / 実測調査 |
研究概要 |
1)日射環境下における数値体温調節モデル65MNの妥当性の検討を行った。拡張体温調節65MNモデルの予測結果と被験者反応との比較を目的とし、実験用アトリウムにて被験者実験を行った。サーマルマネキンと被験者を椅座位裸体にて並べ、日射有無の状態における生理量を測定した。また、CFDと拡張体温調節65MNモデルを連成させた数値解析を行った。その結果、拡張体温調節65MNモデルにて被験者の皮膚温分布の傾向を捉えられることが確認された。皮膚温の予測結果と測定結果では全身で1℃ほどの差があり、四肢の皮膚温の予測精度が劣る傾向が見られた。また、同一部位で大きな気流分布が存在する場合、対流熱伝達率の与え方の影響が大きいことがわかった。 2)体躯可変型数値体温調節モデルJOSを用い、非定常温熱環境下における被験者実験結果との比較を行った。平均皮膚温と胸部ぬれ率を比較した結果、実測値と同様の傾向を再現することが可能であった。また、Mcquairie大学のde Dearらが提案している、すべての気候において適応可能な温熱気候評価指標UTCI (Universal Thermal Climate Index)開発プロジェクトに参加し、JOSの解析結果を提供した。 3)着衣の吸放湿を考慮した数値体温調節モデルREALの開発従来の人体熱モデルでは、着衣と皮膚の間の空気層、着衣層をそれぞれ環境への放熱における熱抵抗と定義しており、非定常環境下で温冷感に与える影響が大きいとされる着衣の吸放湿による相変化熱伝達を考慮していなかった。今回、衣層における水分移動に伴う熱収支のモデル化を組み込んだ新たな人体熱モデルREALを開発した。また被験者実験を行い、測定結果と計算予測値の比較により、人体熱モデルの予測精度を確認した。 以上の成果は、日本建築学会、空気調和・衛生工学会、および国際学会にて発表の予定である。
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