研究課題/領域番号 |
12355026
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 清仁 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20151368)
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研究分担者 |
山内 清 株式会社トーキン, 基礎材料開発部, 部長(研究職)
大沼 郁雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250714)
貝沼 亮介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202004)
山下 修蔵 川澄化学工業(株), カテーテル開発プロジェクト, 理事(研究職)
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キーワード | Cu-Al-Mn / 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 焼入れ速度 / ベイナイト変態 / 結晶粒径 / ガイドワイヤー / 超弾性箔 |
研究概要 |
Cu基超弾性合金の電子および医療材料への展開を試みるため、超弾性特性の向上に有効と考えられる集合組織の形成を、特に線材、箔について、加工熱処理法による集合組織形成を検討した。また、変位センサー・圧力センサー等への応用を検討するため、超弾性効果に伴う合金の電気抵抗変化を調査し、次の知見を得た。 (1)焼鈍および冷間伸線後、再結晶させることにより、<110>繊維集合組織が形成されることが分かった。特に、α相分率(8184)16β相分率の比率を有するα+β2相組織にて冷間伸線を行う事により、その後の再結晶により強烈に<110>繊維集合組織が形成することが明らかとなった。一方、<110>繊維集合組織は、線材軸方向に<110>が揃うが、軸周りではランダムな配向になるため、回復歪み量は、完全ランダム方位を有する線材と変わらない。 (2)箔(〜30μm)についてもα+β2相組織にて冷間圧延を行う事により強烈な集合組織が形成され、特に{112}<110>集合組織が発達し、6〜7%程度の回復歪み量が得られる。 {112}<110>集合組織を有する板材あるいは箔では、現象論解析結果を用いた変態歪みの方位依存性解析より予測された圧延方向から45°回転させた方向において、9%程度の回復歪みが得られる事が明らかとなった。 (3)本Cu-Al-Mn基合金は、応力誘起マルテンサイト変態に伴い、電気抵抗は上昇する。その歪み感度(歪み量変化に対する電気抵抗変化率)は6.5と大きく、一般的に歪みゲージ等に使用されているCu-Ni合金の3倍以上である事が分かった。また、Ni-Ti形状記憶合金に比べて、歪み変化に対する電気抵抗変化の直線性が良く、6%程度の歪みを電気抵抗変化により可逆的に検出できる。また、歪み感度は、マルテンサイト変態温度に大きく依存する。
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