研究分担者 |
平原 英俊 岩手大学, 工学部, 講師 (30241491)
中村 満 岩手大学, 工学部, 助教授 (60237435)
大石 好行 岩手大学, 工学部, 助教授 (90194076)
石川 泰弘 横浜ゴム(株), 研究室長
佐々木 八重子 (株)東亜電化, 開発技術部, 部長
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研究概要 |
本研究では,トリアジンチオール化合物(RTDN)による有機めっき処理金属とゴムとの直接架橋接着技術を提案し,ゴム架橋系に影響されず,しかも,金属上に黄銅や亜鉛めっき処理の必要がない新規な直接架橋接着技術を研究することを目的としている。まず,6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム塩(DAN)により有機めっき処理をした金属(スチール・マグネシウム合金)とアクリルゴム(ACM)・過酸化物架橋系(EPDM)・硫黄架橋(NBR)の直接架橋接着性を検討した結果,以下のことが明らかになった。(1)有機めっき処理により,金属表面上に三次元構造を持つトリアジンチオール被膜を形成させることができる。(2)接着物のはく離強度は、被膜の厚さ・処理溶液成分・成分量・有機めっき処理条件に依存される。(3)ゴム架橋剤の配合(ゴム補強剤・軟化剤・架橋剤)が、接着物のはく離強度に影響し、架橋剤の配合量はお互いに強い相関関係を示し、良好な接着性を得るためには、それぞれ最適な配合量が必要である。(4)接着物の耐熱性・耐油性・耐水性・耐湿性は非常に優れている。 良好な直接架橋接着性を得るための有機めっき被膜の構造としては,(1)有機めっき被膜と金属基板が界面化学結合していること,(2)有機めっき被膜とゴムが界面化学結合していること(3)十分な被膜凝集強度を保持していることの3条件が必要であることが明らかになった。
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