研究課題/領域番号 |
12355030
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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研究分担者 |
長本 英俊 工学院大学, 工学部, 教授 (40111471)
幸田 清一郎 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10011107)
岡島 敬一 静岡大学, 工学部, 助手 (60303533)
亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (10114448)
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キーワード | ガス拡散電極 / 電解プロセス / ソーダ工業 / 省エネルギー |
研究概要 |
ガス拡散電極の実用化のためには、高温高濃度のアルカリ溶液による電極の腐食や、触媒の消耗や欠落といったガス拡散電極自体にかかわる技術的な問題点を改善する必要がある。そこで本研究では、昨年度よりACインピーダンス測定の等価回路解析を用いて分極曲線からだけでは判別しにくい電極の濡れ性や触媒の消耗といった電極劣化に起因する因子の定量化を行ってきた。本年度は定量化データに基づき実用化に向け試作されたAg微粒子触媒担持ガス拡散電極の電極特性を未使用の電極と長期試験後の電極を用いて劣化評価を行い、従来のPt触媒担持電極と比較をすることにより試作された電極の電極性能について評価をした。さらに、電極表面の劣化状況を把握するためSEMおよびXPSにより電極表面の分析を行った。試作電極の劣化評価をAg触媒の消耗、濡れ性、カーボンの消耗状況の三つ視点より評価した結果、電極特性評価からAg触媒の消耗及び濡れの進行状況は、Rctの増加が4.2倍、Cdは2.7倍となり短期試験使用標準電極と近い値を示したことから試作電極が高い耐久性を持つことを示した。また、電極表面評価において、SEM観察より電解試験期間による電極反応層の減少および剥離を確認した。長期試験後の銀触媒担持電極では劣化により反応層厚みが135μm減少した。XPSより電極表面の劣化に伴い炭素ピークの減少、酸素、ナトリウムの吸着とピークの増加を確認した。特にC-F結合ピークは電極試験の進行と共に-COF, CF3COO-へのピークシフトが確認され、電極劣化の進行に電極反応層への酸素の吸着結合が伴うことが明らかとなった。これにより、酸素プラズマを用いた加速試験方法の可能性が示唆された。
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