研究課題/領域番号 |
12355035
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内藤 林 大阪大学, 大学院・工学工研科, 教授 (20093437)
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研究分担者 |
森 淳彦 (株)森技術研究所, 所長(研究職)
箕浦 宗彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30294044)
高木 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90183433)
別所 正利 日本大学, 理工学部・防衛大学校, 講師名誉教授
一色 浩 日立造船(株), 技術開発本部, 主席研究員
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キーワード | 船首翼 / 水力の発生 / 船体運動の軽減 / 翼の収納 / 燃費減少 |
研究概要 |
三カ年計画の初年度として以下の実績を挙げることが出来た。 1.船首左右舷二枚の独立可動翼の設計を行った。 (1)昨年まで使用した矩形翼でなく、テーパを持った後退翼とし、翼面積を64%に減少させた翼を設計した。 (2)二枚の翼と制御モーター二基をタイミングベルトで直決し独立に制御可能とした。 (3)このシステムの周波数特性を検定し、模型実験で作動させるすべての周波数領域で、位相遅れの無い振幅特性1のシステムであることを実験的に確認した。 2.平水中航送時に船首翼を稼動させ、その時に生じる船体運動(縦揺れ、上下揺れ)を計測した。その結果を理論と比較した。長い周期で翼を稼動させた時の両者の値の相違が大きいことがわかった。これは理論の持つ不備が原因であるが、実験値を基にした修正関数を作ることにより良い一致を得た。この船首翼システムの実用化には、このような修正値を導入することは不可欠である。 3.波浪中航送時、上下揺れ、縦揺れを計測し、フィードバック制御をすることにより運動を軽減させた。昨年使用した固定翼面積の64%しかない可動翼だが、運動軽減は固定翼以上の効果を得ることが出来た。 4.その他、各種の確認実験を行い、指示どうりの動きを船首翼にさせることが出来ることを確認した。 5.翼の運動に対する船体運動(下揺れ、縦遥れ)のインパルス応答関数を、2.の実験から求めた。これを使って翼を不規則に稼動させた場合の船体運動を予測し、実験値と良い一致を得た。 6.以上のように線形システムとして船首翼システムを完成させることが出来た。 7.次年度の課題として、推力を発生させる船首翼の制御に見通しを得た。
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