研究課題/領域番号 |
12356005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 久義 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80191089)
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研究分担者 |
山本 博一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70174810)
鈴木 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80162931)
松田 彊 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (30002075)
井上 晋 九州大学, 農学部・附属演習林, 助教授 (20038342)
大畠 誠一 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026639)
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キーワード | 広葉樹二次林 / 生産量 / 炭素固定 / 大学演習林 / 固定試験地 / データベース |
研究概要 |
本研究は森林の炭素固定機能を全国的な規模でより正確に評価することをめざし、全国の大学演習林にある多様な広葉樹二次林内に試験地を設置して、地下部を含めた物質の現存量や生産量を把握する。プロジェクト2年目の研究活動として、以下の調査研究を行った。(1)新たな試験地の設定と資料収集(a)固定試験地の設定:広葉樹二次林の成長経過を把握するための固定試験地の設定。基本的には全国をカバーできる試験地網の構築を目指しながら既設の試験地のないまたは少ない地域や林相の森林について新たに固定試験地を設定。調査項目の標準化(h)土壌、土壌生物の調査:広葉樹二次林の地下部を支え、物質循環の場となる土壌や土壌動物等の把握。既設または上記(a)で新設する固定試験地のように現存量や成長量のデータがある試験地を対象(2)広葉樹二次林の生産量、炭素固定機能量推定(b)材積表の調製:広葉樹の材積表は樹種や地域を限定してつくられたものが多く、材積を求める際に問題が生じる。本研究で生産量や炭素固定機能の評価を行うためには正確な材積が必要で、枝量を考慮した材積推定が必要であるので、広葉樹二次林を構成する主要樹種の資料を収集し、新たな材積表を調整する。(c)樹種別容積密度の測定:炭素固定機能の評価には、材積から重量への換算が必要となるので、樹種ごと容積密度を測定(d)地下部(根系)の評価方法の検討:根系は炭素貯蔵器官として重要であるが、調査等に労力がかかるため、あまりデータが得られていない。根系の現存量調査を行い、地下部の評価方法をまとめる。(3)全国規模での推定(e)全国レベルの広葉樹二次林の現存量把握:森林簿、リモセン資料、空中写真などの資料を収集し、全国レベルで広葉樹二次林の現存量を把握。(4)モデルの開発(f)炭素固定モデルの作成:バイオマスの現存量から炭素固定量把握のため、炭素固定機能モデルを開発する。対象は各地の広葉樹二次林を構成する主要樹種であり、葉量などの現存量から生産、固定される樹体量や炭素量を推定するモデル式をまとめる。(g)二次林の成長モデルの作成:現在の林分構造をもとに将来を推定するための成長モデルを開発する。対象は単木、林分の両者が考えられる。上記(f)とあわせて、広葉樹二次林の生産量、炭素固定量の推定、評価を可能するためのモデルである。
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