研究課題/領域番号 |
12357001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (30089883)
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研究分担者 |
岩根 敦子 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (30252638)
佐甲 靖志 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (20215700)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 電気生理 / 人工膜 / チャネル / 全反射 / 蛍光顕微鏡 / 1分子計測 / GPCR / 化学受容 |
研究概要 |
細胞膜の情報伝達分子の反応を1分子可視化計測するための光学顕微鏡(1分子機能イメージング顕微鏡)を製作し、パッチ膜中で1分子光学測定と電流測定を同時に行う方法を開発した。この顕微鏡を用いて、人工膜および細胞膜中で、チャネル分子の運動とイオン透過の同時計測および、G蛋白質共役型膜受容体の情報伝達反応の細胞内1分子測定をおこなった。 (1)チャネル分子の運動とイオン透過の同時計測:1分子イメージング光学系に組み込み可能な電流測定系を構築し、人工平面膜で、単一分子蛍光と単一チャネル電流を同時測定できた。単一チャネルの開閉とリガンドの結合解離の同時計測を可能にした。アラメチシン、Ca依存性Kチャネル、心筋型リアノジン受容チャネルに等の熱ゆらぎ運動の蛍光1分子観察と、膜電位固定下で1分子開閉に伴うイオン電流ゆらぎを同時計測した。また、tip-dip法によりガラスピペット先端に作製した人工膜にアセチルコリンチャネルを組み込み、1分子イメージングと1分子電流計測を同時におこなうことに成功した。 (2)G蛋白質共役型受容体の情報伝反応の細胞内1分子測定:細胞性粘菌の走化性に関与する7回膜貫通型受容体CAR1と緑色蛍光蛋白質GFPの融合分子、および、CAR1の情報伝達に関与する細胞質蛋白質CRACとGFPの融合分子を細胞に発現させ、細胞内で1分子イメージングを行った。CAR1とcAMPの結合反応を蛍光cAMPをトレーサーとする1分子計測で解析した。溶液中のケージドcAMPを光解除してcAMPの濃度ジャンプを行うと数秒後に蛍光cAMPに対する受容体の親和性が一過的に上昇することが分かった。これは受容体にcAMPが結合するとさらに親和性が上昇するという正のフィードバック機構の存在を示唆している。
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