研究課題/領域番号 |
12357011
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
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研究分担者 |
杉山 明子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90304534)
町頭 三保 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (80253897)
田村 正人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30236757)
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キーワード | 肝細胞増殖因子(HGF) / 細胞分散因子(SF) / 高感度ELISA / 歯肉溝滲出液 / 歯周疾患 / 歯肉組織 / HGF-activator |
研究概要 |
研究代表者らが開発した、高感度HGF ELISA(測定感度、2pg/ml)を用いて、本年度は以下の結果を得た。 1.臨床的に健康な歯肉の歯肉溝滲出液中HGF濃度は1.7ng/mlであったのに対し、歯周炎のある部位では3.23ng/mlと有意に高い値を示した。 2.歯周炎の治療により、その臨床症状の改善と平行して、歯肉溝滲出液中のHGF量が有意に減少したが、HGF濃度の減少には有意差が認められなかった。 3.歯肉切除手術の際に得られる歯肉試料を用いて、in situ hybridizationによりHGF産生細胞を検討したところ、線維芽細胞および炎症性の浸潤細胞にHGFの発現が認められた。 4.不活性型のpro-HGFを活性型のHGFに転換する酵素(HGF-activator)が、歯肉組織に存在していることを、免疫染色により確認した。 5.健常および歯周炎の歯肉の両方で、HGFおよびHGFAのmRNAが発現していることを、RT-PCRで確認した。 以上の結果より、歯肉溝滲出液中のHGFは、歯肉組織で合成されたpro-HGFが歯肉組織中で活性化されたものであることを示すものであり、また、歯周ポケット中ではHGFが上皮細胞の増殖と移動を促進して、細胞の侵襲に対抗していることを示唆するものである。
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