本研究ではIntelligentPadが実現している再編集・再流通機能に、ライセンス及びロイヤルティ管理の機能を導入し、各基本部品や合成部品のどの機能をどれだけ用いたかに応じて、課金・請求・決済を行う機構を実現し、再編集・再流通可能な電子的知財の流通基盤システムの実用化を目指した研究開発を行った。 本研究開発では、申請者が既に開発したIntelligentPadを流通メディアとして用いたので、(1)マルチメディア文書のみならず、各種アプリケーションツールも含むあらゆる電子的知財を、(2)可視的コンポーネントをスクリーン上で組み合わせて定義することができ、(3)得られた合成オブジェクトをウェブ・ページに埋め込んでインターネットを介して出版流通させ、(4)クライアント側のローカル環境で自在に再利用でき、(5)流通知財をユーザが自由に再編集・再流通できる。しかも、部品パッドの開発提供者(プロバイダ)、システム・インテグレータ、流通仲介者(ブローカ)、利用者(ユーザ)の4者を各々複数含む流通モデルを構築し、ブローカを介さないユーザ同士の直接流通においても、各ユーザから各パッドの使用量に応じた対価がブローカを経由してプロバイダやインテグレータに支払われる流通モデルを構築した。この流通モデルと整合性の取れたライセンス機構・課金機構を、各パッドに組み込まれるリクエスト・モデュールとカーネルに組み込まれるアカウント・モデュールの2つのモデュールで実現した。これらの組み合わせによって、各種の課金やセキュリティ保護、ライセンス保護、ロイヤリティ管理がいかに実現できるかを明らかにした。これらのモデュール開発に必要なAPIライブラリを開発し、リクエスト・モデュールとアカウント・モデュールの開発を行った。これを用いて各種課金方式やライセンス保護・ロイヤリティ管理機構の試作開発を行った。これらを基盤にロイヤリティ・サーバの実現のための技術検討を行った。
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