研究課題/領域番号 |
12358015
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
相澤 益男 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00016742)
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研究分担者 |
佐々木 敬 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90205849)
田嶼 尚子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70112836)
柳田 保子 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (10282849)
中村 真理子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40237433)
大野 典也 DNA医学研究所, 所長 (60147288)
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キーワード | インスリン / furin / 前脂肪細胞 / 筋芽細胞 / hspプロモーター / 電気刺激応答性 / BIACORE法 / 細胞デバイス |
研究概要 |
今年度はさらに高効率インスリン分泌細胞を作成すること、分泌されたインスリンの生化学的検討、移植した際の問題点の解決などを行った.ヒトインスリン遺伝子をレトロウイルスベクターにて移入した際のインスリン分泌能は、前脂肪細胞(L1)と筋芽細胞(C2C12)の2種類のマウス間葉系前駆細胞で高いことが判明した.さらにこれらを分化させてみると約十倍の分泌能の冗進を確認した.またHPLC及びレーザー質量分析機を用いて細胞の培養上清につき、proinsulin processingを確認した. ところで電気刺激応答性HSPプロモーターの下流にinsulin/fur遺伝子を連結したウイルスベクターで筋芽細胞(C2C12)を形質導入し、筋細胞への分化後に熱刺激を印加すると、全脂肪細胞(L1)を用いた場合には確認できなかったインスリン分泌能が上昇し、EIA法により検出可能な量のインスリン分泌を誘導することができた。 さらに、細胞より分泌されるインスリン分子の微量定量法の開発を高感度ELISA法とBIACORE法とで試みた。インスリン分子は2量体で活性分子として存在し、その分子間結合に亜鉛(Zn^<++>)分子が重要な役割を果たしていると考えられている。そこで、架橋分子の影響をキレート剤により検討した。その結果、BIACORE法に使用する特異抗体の種類により、インスリン分子の結合状況を多量の來雑物質(血清中)存在下で迅速に解析できる事を明らかにした。 開発中の細胞デバイスのチェンバー部分の作成に関して、基本デザインを呈示し、インビトロ社と協力し試作品の完成に努めた。この新しい免疫隔離膜を使用したチャンバーにインスリン分泌細胞をパックして糖尿病モデル動物に移植したところ、移植免疫反応が起こらないこと、内部細胞の栄養が保たれる必要のあること、チャンバー強度改良の必要性などが明らかとなった.
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