研究分担者 |
鈴木 聡 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (90314012)
渡部 眞三 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生理学部門, 主任研究員
石黒 章夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90232280)
近藤 永子 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30335038)
近藤 峰生 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (80303642)
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研究概要 |
1.網膜刺激電極の刺激パターンと形状に関して考察し「網膜刺激用電極」として特許の国際出願を行った。 (1)従来の網膜の刺激方法は認識させたい形のみを刺激していたことに対し、我々は電気刺激を行う対象の網膜双極細胞は過分極型と脱分極型と2種類あることを利用しその背景も逆位相で刺激することによりコントラストを高めることを予想した。 (2)従来の網膜電極は板状で網膜を押しつぶす可能性があったが、我々のスペーサを備えた電極ではスペーサ以外の部分は正常に保たれる。 (3)従来の網膜電極は眼球毛様体扁平部からの挿入を考えて作られたもので形状を薄く作られていたが、我々の考案した角膜を円形にくり抜いてそのスペースから移植する方法では体積の余裕ができ装置の開発が容易になる。 2.軸索伸長速度の推測 ネコ網膜神経節細胞(RGC)の軸索の伸長速度を促進するための基礎データとして,軸索伸長速度を推測した.視神経断端に末梢神経を自家移植して4,6,8週後に再生RGCを標識した.10mm以上軸索を再生したRGCの増加は6週で止まった.10mmと20mmに注入した色素で二重標識されたRGCの割合から,伸長速度は最速:1.3mm/日,最遅:0.27mm/日,が推算された.α細胞の再生速度が高い可能性が示唆された. 3.再生神経節細胞におけるNeuroglycan Cの発現 Neuroglycan C(NGC)は,発生中の神経組織に特異的なコンドロイチン硫酸プロテオグリカンである.ネコ視神経再生時におけるNGCの発現は,RGCsおよび再生軸索線維に,特異的に認められた.NGC発現RGCsの細胞体の大きさの分布に特に傾向は認められなかった.以上から軸索再生時にもNGCが発現されることが明らかになった.
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