研究課題/領域番号 |
12358016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 養三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30166136)
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研究分担者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80303642)
渡部 眞三 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員
石黒 章夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90232280)
近藤 永子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30335038)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | シミュレーション / 人工網膜 / 画像処理 / 電気刺激 / 刺激用電極 / 光学的干渉断層計 / 神経再生 / 軸索 |
研究概要 |
(1)人工眼シミュレーション: 人工眼を装着した患者が日常生活上で最低限要となる視機能の実現を目指すために必要な人工眼のスペックを定量的に評価するため人工眼の使用状態を体験できる人工眼体感システムを制作した。その結果、人工眼の輝度調節は4〜8段階が適切であることが判明した。 (2)画像信号処理: 人工眼では入力画像情報に基ずいて電気パルス信号を生成し、網膜を電気刺激する必要がある。その際には生成したパルス信号を高速に処理するためのハードウエアが不可欠である。本研究ではパルスニューロンの概念を導入して従来のニューロン表現に比べ高い集積度を実現する実装方法を考案した。これにより人工眼の画像処理において、高速性や回路の小型化という基本要件は、パルスニューロンや神経修飾メカニズム等のコンセプトが極めて有用なものとなりうることが明かとなった。 (3)視覚系神経への電気刺激の評価: 人工網膜における電気刺激の至適条件に関して、正常と網膜変性マウスを用いた研究を行った。その結果、短発波のほうがパルス波より効率的であった。さらに猫を用いて、外側膝状体に刺激電極アレイを刺入し、パルス幅、パルス強度、電極間距離を変化させ、神経応答として視覚領から誘発電位を測定した。その結果、パルス幅よりもパルス強度が神経応答に大きな影響を与えることが判明した。 (4)刺激用電極の形状、組成に関する研究: 網膜電極の下にスペーサーを用いることにより、電極と強膜の間に一定の距離を保つことができ、その高さは光学的干渉断層計により網膜厚を測定することにより最適な間隔を設定できることが判明した。 (5)視神経再生に関する研究: 軸索を損傷された中枢神経細胞の軸索再生は、中枢神経の機能回復をはかるうえで重要である。人工感覚器によって外界刺激を中枢に伝達する場合、感覚需要デバイスからの信号を需要する神経細胞の軸索を、本来の中枢神経細胞に導いてシナプスを形成して信号を伝達することが必要とされる。本研究では視神経を切断された網膜神経節細胞を長期にわたって生存させ,さらに軸索を最盛させるための方法を検討した。
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