研究課題/領域番号 |
12359001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下瀬川 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90226275)
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研究分担者 |
田代 英夫 理化学研究所, 工学基盤研究部, 部長 (90124370)
佐藤 賢一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282055)
朝倉 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20272023)
會沢 勝夫 東京医科大学, 第2生理学, 教授 (40074645)
池田 照樹 日本分光(株), 第一技術部, 次長
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キーワード | 光ファイバー / ラマン散乱 / 消化器腫瘍 / チタンサファイアレーザー |
研究概要 |
ラマン分光計測システムに搭載される電子制御波長可変レーザーは700〜900nmの発信波長領域を持ち、最高35mWの出力が得られた。ビームはほぼTEM00の分布を示し、光ファイバーカップリングに適するビームクオリティーであった。25±3℃の室温変化に対して、波長の繰り返しの切り替えに対しても0.1nmの絶対安定性を示しており、通常の分散式波長可変レーザーに比較して非常に高い波長信頼性を持っていることが分かった。 新開発分光器とのカップリングの前に、従来型ラマン分光器を用いて波長可変レーザーの評価を行った。試料としては全血、コレステロールエステルを用いた。レーザー光波長の安定度は高く、ビームのクオリティーも高いことから、本システムに用いる電子制御波長可変レーザーはスペクトル測定に最適であることが確認された。 全血は、720、767、795nmの励起光で測定し、ヘモグロビン中のヘム色素に前期共鳴したスペクトルが得られた。なかでも720nm励起のスペクトルはもっとも強い共鳴効果を示し、Qバンドへの前期共鳴であることが示唆された。コレステロールエステルは四塩化炭素溶液及び固体で、720nm励起光で測定した。タンパク質や全血スペクトルとの重なりが少ない1700cm^<-1>以上の波長領域には、1735cm^<-1>にエステルのCO伸縮振動が観測され、組織内のコレステロールエステルの定量が可能であることを示した。溶液と固体でのスペクトル変化はほとんど作らないことが示唆された。 電子制御波長可変レーザーは1kHzの繰り返しを持つパルスレーザーである。現在繰り返し周波数を上げることによって平均出力の増強を図っている。
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