研究課題/領域番号 |
12372002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小久保 康之 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60221959)
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研究分担者 |
吉川 元 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50153143)
佐藤 真千子 静岡県立大学, 大学院・国際関係学研究科, 助手 (40315859)
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 大学院・国際関係学研究科, 教授 (10248817)
小林 正英 尚美学園大学, 総合政策学部, 講師 (60364874)
渡邊 啓貴 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80150100)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 国際政治 / コソヴォ / NATO / EU / OSCE / 紛争予防 / バルカン / ヨーロッパ |
研究概要 |
本研究によって、コソヴォ紛争以降、欧州国際政治において以下のような新たな潮流が現れていることが明らかになった。 第1に、コソヴォ紛争を契機として、EUの東方拡大が加速化され、同機構が欧州国際政治に及ぼす影響が顕著になった。また、欧州大陸全体を包含することになったEUにおいて、憲法条約の制定の必要性が生じるなど、EUの「深化」の問題も緊急課題となってきた。第2に、民主主義、法の支配、基本的人権の尊重、少数民族の権利保護といった価値観が欧州大陸において共有すべき価値として認識され、紛争後の国家建設においてもそれらの遵守が求めらている。バルカン諸国の国家建設プロセスにおいて、OSCE、EU、国連といった国際組織が、紛争後の平和構築およ予防外交の一環として、当該国の内政に関与しつつ民主主義的な国家再建を進める手法が功を奏している一方、多民族国家への民主化支援には、権力分掌体制の導入が今後の課題として残されている。第3に、米国の圧倒的な軍事力(ハードパワー)を背景とした一国主義に対して、欧州諸国はソフトパワーを軸にした多国間協調主義による平和構築を目指す傾向が強く、両者の対立が鮮明になりつつある。EUの共通外交安全保障の発展も、NATOとの競合をもたらすことになり、当面は欧州側が米国の軍事力に頼らざるを得ないとは言え、将来的に両者の役割分担が問題となることが懸念される。第4に、欧州諸国の内政問題が各国の外交に及ぼす影響が看護し得ないレベルにまで来ており、今後は外交と内政とのリンケージを新たな枠組みで見直す必要がある。以上のような新たな潮流は、2001年9月11日の米国同時多発テロ、2003年の対イラク戦争といった新たな国際政治の流れに多大な影響を受けており、単にコソヴォ紛争後の新たな潮流という段階を超えていることを最後に付言しておきたい。
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