研究課題/領域番号 |
12372005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池野 旬 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (40293930)
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研究分担者 |
児玉谷 史朗 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00234790)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
島田 周平 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
上田 元 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10241514)
半澤 和夫 日本大学, 生物資源学部, 助教授 (60147676)
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キーワード | アフリカ現代史 / 農村開発 / 貧困問題 / 構造調整政策 / タンザニア / ザンビア / ルワンダ / ガーナ |
研究概要 |
1980年代より多くのアフリカ諸国は、世銀・IMFの支援する構造調整政策を実施してきた。同年代末に政策の社会的影響をも配慮するように修正が加えられてはいるが、基本的に構造調整政策は、民間資本の活動する市場を活性化することによってマクロ経済指標の改善を図ろうとする経済成長重視の開発戦略である。この政策のもとで、アフリカ各国では貧富の格差が拡大しつつあるといわれ、90年代央から貧困軽減・撲滅が新たな政策課題として浮上するに至っている。そして、重債務貧困国(HIPC)という援助対象分類が国際的に提唱され、アフリカ諸国は次々とHIPCに認定され、貧困問題への取り組みに本腰を入れようとしている。 しかしながら、都市部よりも農村部に大量に滞留するといわれる貧困層の実態についてはいまだ不明な点が多い。本研究の課題は、アフリカ農村部における貧困問題の現状と歴史的経緯を実証的に明らかにすることにある。初年度である本年度には、タンザニア、ザンビア、ルワンダ、ガーナ、ウガンダ、ケニアの農村部(遊牧民地域を含む)において、社会経済調査を実施し農村貧困問題についての各国の現状把握を試みるとともに、研究者との意見交換、貧困問題に関する文献・統計資料の収集を行った。また、これまで日本では研究蓄積の少ない仏語圏アフリカに関する資料収集をめざして、フランスならびにベルギーでの予備的調査も実施した。本年度の研究成果として、事前に一定の定量的基準を設けてアフリカ各国の貧困問題を一律に論じることは必ずしも有効ではなく、各国別の農村貧困問題に対して更なる実証研究が必要であり、同時に各国の貧困問題を比較・総合化しうる視点の確立が必要であることが、明らかになった。
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