研究課題/領域番号 |
12373002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
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研究分担者 |
前田 佐和子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00199613)
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60212130)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (50132709)
渡部 重十 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90271577)
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キーワード | EISCATレーダー / ESR / 磁気圏 / 電離圏 / 熱圏 / 中間圏 / 太陽風 / 極冠域 |
研究概要 |
太陽風エネルギーが地球環境へ流入・蓄積・解放する領域を広くカバーするEISCATレーダシステムを用いた観測・研究は、太陽風・磁気圏・電離圏結合の解明のみならず、太陽風エネルギーの地球大気環境への流入、それに伴う大気擾乱、域極中層大気の変質、気候変動への影響などの機構解明に大きな貢献をすることが期待される。 本年度は次の項目を実施した。(1)ブラックオーロラ。輝くオーロラの中に、フィラメント状または渦巻き込み型のような陰の部分が見られる。これはあたかも、オーロラが「黒く」輝いているように見える。この現象に付随する物理過程を解明するため、EISCATおよび、高感度テレビカメラ、全天・狭視野デジタルカメラを用いたキャンペーン観測を行った。EISCAT観測には最近開発されたarc1観測モード(時間分解能が0.44秒、高度分解能1km)を用いた。(2)高電子密度領域の極方向移動現象。2つのレーダーシステム(ESR and VHF radar)を用いた特別実験データの解析を進め、高電子密度領域の極方向移動の物理的解明を試みた。(3)オーロラ電流。地磁気擾乱時には極域電離圏において膨大な電流が流れており、その電流は磁気圏と沿磁力線電流を通して結合している。そこでEISCATレーダの特別実験データから沿磁力線電流を導出し、3次元電流系の研究を行った。(4)イオン流出現象。これまで取得されたデータを用いて、イオン流出現象発生に大きく関係する加熱現象、さらには衛星同時観測データを用いてイオン流出現象の物理メカニズムの解明を試みた。(5)降下電子エネルギー。EISCAT UHFレーダと4波長フォトメーターの同時観測を行い、降下電子エネルギースペクトルの研究を実施した。これら以外にも、10年以上にわたる膨大なEISCATデータを用いて、超高層大気物理に関連した種々の研究が実施されている。
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