研究課題/領域番号 |
12374002
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
川野邊 渉 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部, 室長 (00169749)
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研究分担者 |
中野 照男 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
斎藤 英俊 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (30271589)
渡邊 明義 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 所長 (00249913)
岡田 健 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (40194352)
石崎 武志 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 室長 (80212877)
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キーワード | 中国壁画 / 保存環境 / 保存技術 / 修復材料 / 修復技法 / 寺観壁画 / 建造物 / 壁の構造と劣化機構 |
研究概要 |
環境班は、8月と12月の2回中国での壁画調査を行った。8月は、調査対象の智化寺内に気象観測測定装置の設置を行い、温湿度、風向、風速、降水量、日射等のデータ収録を開始した。また、壁画のある部屋での温湿度測定、照度、紫外線測定を行った。8月下旬に窓からの外光を遮蔽する前では、窓近くで照度2300lx、紫外線量90μW/cm2の値であったが、遮蔽後は1.5lx,紫外線量は、測定限界以下になっていることが分かった。また、法界寺での温湿度測定、照度、紫外線量の測定を行った。また、独楽時の壁画調査も行った。ここでは、土壁の構造調査を行った。12月の調査では、智化寺内の気象データの収録、壁画の断面構造の調査を行った。また、携帯型蛍光X線装置による智化寺壁画顔料の化学分析を行った。顔料の色と化学成分の対応付けを行うことができた。 絵画班は、智化寺壁画の現地調査によって、主題の解明を行うとともに、図像の系譜を考察した。また、建築班の調査に同行し、建築装飾のパターンを分析した。関連資料の調査として、北京の法海寺、ケイ県の独楽寺の壁画を調査し、比較研究を行った。昨年に引き続き、文献資料の収集を行い、『元代画塑記』の読解を進めた。 建築班は、北京市智化寺の各建物を建築史的視点から調査を行い、来年度の詳細調査の計画を策定した。また、比較検討のため北京近辺および山西省の寺院建物の調査を行った。 修復班は、智化寺壁画が移動修復されたものであるのかどうか、中国側研究者の協力を得ながら、調査検討し、現状の壁画の問題点と併せて、保存修復上の解決方法を探った。
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