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2003 年度 実績報告書

中国河北省の寺院壁画、古墳壁画の保存に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12374002
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

川野邊 渉  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・修復材料研究室, 室長 (00169749)

研究分担者 中野 照男  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
斎藤 英俊  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (30271589)
渡邊 明義  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・修復材料研究室, 所長 (00249913)
藤巻 晴行  筑波大学, 農工学系, 講師 (90323253)
石崎 武志  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・物理研究室, 室長 (80212877)
キーワード絵画 / 中国 / 環境測定 / 修復 / 顔料 / 寺院壁画 / 古墳壁画
研究概要

環境班は、中国国内の壁画の調査を続行し、智化寺内に設置した気象観測装置から温湿度、風向、風速、降水量、日射等のデータを回収した。智化寺では、共同で観測を行っている中国文物研究所の担当者に、データ回収の方法などについて説明すると共に、観測結果についての説明を行った。また、中国文物研究所によって智化寺壁画から採取された微小顔料片10試料について、蛍光X線分析、X線回折分析により顔料同定を行った。緑色顔料については、緑青(マラカイト)は検出されず、緑塩銅鉱(アタカマイト)が同定された。黄色顔料については、主成分化合物は同定されず、染料が使われている可能性が示唆された。気象観測データのまとめと携帯型蛍光X線装置による智化寺壁画顔料の化学分析結果に関してまとめを行い報告書を作成した。美術班は、智化寺壁画との比較研究を行うために、中国の寺院や道観の壁画に関する所在情報や画像資料の捜索を行うとともに、智化寺壁画に係わる調査及び美術史的研究の成果のとりまとめを行った。また、智化寺壁画の図像解釈と製作年代に係わる考察結果、智化寺の建築装飾に関する史的考察の成果を報告した。修復班は、前年度まで精密撮影した写真をもとに壁画の損傷地図の作成を行った。拡大した写真の上に透明フィルムを重ね、損傷の種類を明確にしつつ壁画の状態を記録し、さらに現地調査にてその記録と照合した。照合後、この記録をデジタルデータに変換し、画面上で写真と損傷状態とを任意の明るさで重ね合わせられる損傷地図を作成した。また、この際に確認された損傷の修理提案も行った。壁画の伝来の調査では、智化寺文博館閻玉良主任と共同で、中国文物研究所資料室、北京市公文書館で調査を実施した。このほか文献資料を収集・閲覧した。その結果、1930年代以来の資料を見る限り、かつての智化殿内部の状況として、現在の壁画がある仏後壁は存在しておらず、移動があったことは確実ではあるが、その具体的な状況については、崇文門外の寺院から移された、という伝承以外の事実を確認することはできなかった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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