研究課題/領域番号 |
12375002
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
青塚 正志 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40106604)
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研究分担者 |
渡部 英昭 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10167190)
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
布山 喜章 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20087133)
高森 久樹 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (40188090)
片倉 晴雄 北海道大学, 理学研究科, 教授 (40113542)
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キーワード | ショウジョウバエ / 生物多様性 / 中国 / obscura種群 |
研究概要 |
本年度は中国のショウジョウバエ相の調査を行うための基盤つくりを中心課題に、計7回の海外派遣と、1回の班会議を実施した。第一次派遣から第四次派遣では、現地機関の協力要請と、幾つかの地域での採集調査を行った。訪問機関は、昆明動物研究所(昆明)、広東省昆虫研究所(広州)、湖北大学(武漢)、北京大学(北京)、東北師範大学(長春)、安微大学(合肥)、復旦大学(上海)である。班会議を開催し、各機関との協議結果、各機関の研究設備、採集調査面における立地条件、予備的採集調査結果などを詳細に検討し、本研究課題の遂行のために、研究年度を通じて、昆明動物研究所(張亜平教授)、湖北大学生物系(曾慶韜教授)の協力を仰ぐことを決定した。それらの現地機関にはあらためて具体的な研究計画を提示し、好意的な了解を得た。また、第五次派遣では韓国江原市の江原大学を訪問し、協力要請をした結果、金.勳教授、朴濟哲博士の協力が得られることになった。第二次派遣から第四次派遣では、予備的調査を目的として、現地の協力を得て雲南省自然保護区(鶏足山、大理など)、湖南省自然保護区(八大工山、天平山など)での採集を行った。得られた標本は、昆明動物研究所、湖北大学協力者に保管維持を要請し、その後の第六次、七次派遣で標本の同定作業を行った。予備調査ながら、非常に多くの標本が得られたため、全ての標本同定は次年度に持ち越されるが、いくつかの重要な知見が得られた。中でも特筆すべきは、雲南省自然保護区にて採集されたobscura種群である。これまでに成された本種群の研究は多いが、本研究によって採集された種は明らかに新種かつユーラシア大陸での最南記録でもあり、本群の進化過程を論ずる際の非常に重要な研究対象となる。第六次、七次派遣ではまた、現地協力者に対して分子レベルでの研究、飼育交配実験などの技術指導を行った。
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