研究課題/領域番号 |
12375005
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
田中 彰 東海大学, 海洋学部, 教授 (90138636)
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研究分担者 |
村上 昌弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70134517)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
谷内 透 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00012021)
大竹 二雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20160525)
兵藤 晋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40222244)
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キーワード | 淡水産板鰓類 / 出現 / ノコギリエイ / オオメジロザメ / ザンベジ川 / 平衡砂 / 水質調査 |
研究概要 |
本年度は交付申請書の研究実施計画にも示したように調査地をモザンビークのザンベジ川流域に絞り、また、これまでの調査結果から雨期にはいる前の時期を調査時期と定めた。 平成14年12月8日に田中彰・村上昌弘・兵藤晋・堀江琢(研究協力者)がモザンビークへ調査に向かった。モザンビークの首都マプートでは共同研究者Mr.Almeida Guissamuloの自然史博物館に訪れ、ザンベジ川における淡水産板鯉類の調査について話し合ったが、有効な情報は得られなかった。出国前から調査協力を求めていた現地の海外漁業協力財団の調査員・新井孝彦氏から情報を入手するとともに、調査協力を依頼した。ザンベジ川の近郊の主要な都市であるキリマネにおいて、ザンベジ川河口の村チンデChindeまで行くための船を用船し、生活用品を購入し、12月16日から22日の間、ザンベジ川河口域のチンデを中心に調査を行った。 チンデの村では刺し網や手釣りにより漁業活動を行っており、漁師に協力を求め、サメ・エイ類の採集調査を行った。漁師の話ではノコギリエイとオオメジロザメと思われるサメが生息しており、この時期にもサメが漁獲されるとのことで採集に努めた。しかしながら、チンデの村ではサメ・エイ類は採集されず、マチンデMatindeという小さな村で漁獲されたが、入手することはできなかった。ザンベジ川の支流であるChinde川の水質調査を行った結果、水量が多く河口から10km上流で完全な淡水であった。 上記の河口域の調査を行う前にザンベジ川の中流域河畔の村カイアCaiaに訪れ、漁師にサメの採集を依頼しておいた。12月23-24日にはその村に訪れ、サメの漁獲状況を調査したが、漁獲されていなかった。また、カイアでの水質調査ではこの付近の水質は完全な淡水であった。今回のガンジス川での調査では期待されたオオメジロザメとノコギリエイが採集されず、当初の目的を達成できなかった。 現在、前年度に採集された試料を基に組織学的、生化学的な研究を行っている。上記の調査で資料が入手できる予定であったので、一部の研究テーマについてはその試料入手後にまとめて分析する計画を立てていたため、解析が進んでいない。平衡砂についてはストロンチウムとカルシウム濃度比を調べたところ、ベツボカ川で採集されたオオメジロザメの濃度比が比較的高く、海水域あるいは汽水域に生息していた個体が淡水域に入ってきたと考えられた。ノコギリエイはオオメジロザメに比べ若干、低い値を示した。
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