研究課題/領域番号 |
12376001
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
|
研究分担者 |
濱野 真二郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70294915)
肥後 広夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80117225)
曽根 敏雄 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20281743)
菊池 三穂子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40336186)
姫野 国祐 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50112339)
|
キーワード | シャーガス病 / クルーズトリパノソーマ / 遺伝多型 / 感染性 / プロテオーム / 中南米 / 疾患感受性 / HLA |
研究概要 |
1)中南米のフィールド分離株を用いた原虫の遣伝的多様性の解析。 1.中南米からの分離株を用いて、培養型エピマスチゴートから2次元電気泳動法によりペプチドマップを作成した。その結果、これまでの報告とは異なる大きな4系統の遺伝的なグループが存在することを発見した。 2.中南米由来の同系統分離株4株を解析しく培養細胞へのメタサイクリック型原虫の感染性で見ると2つのグループに完全に分離することを見出し、これらのクローン株をマウスに感染させた。その結果、マウスの感染においても非感染株はまったく病気をおこさなかった。 3.肥後らは、アイソザイムによる系統差の解析を継続し、特に中南米に特徴的なZ1、南米に存在するZ2の多数の株を用いて、遺伝子の多様度、多型遺伝座の頻度について解析し、Z2グループがZ1グループより多様性に富むことを明らかにした(投稿中)。また同時にボリビアの多数の分離株の解析も行い、予想に反して株間の遺伝子交換がほとんど行われていないことも明らかにした。 2)シャーガス病の重症化を規定するヒト遺伝要因の解析 4.メキシコの国立心臓病研究所との共同研究により、メキシコ中南部でフィールド調査を行い、Puebloでは感染率が5%前後であるのに対しChiapasでは15%と高かったが、血清陽性者のシャーガス病に特有な心電図異常の頻度では相違が観られなかった。これにより、侵淫度や原虫の病原性に関係なく、心臓病を発症しやすい感受性の宿主要因を持つものが存在することが示唆された。 5.パラグアイの国立衛生科学研究所との共同研究で、サシガメの感染率が100%であるある村落の住民の血清抗体価の調査を実施したが、住民の10-15%が特別に抗体価が低かった。同時に実施した心電図検査の結果、これら低抗体価の者に特徴的な心電図異常のものの頻度が高いことも示された(Aida K. et al.2002)。
|