研究課題/領域番号 |
12376001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 長崎大学 (2001-2002) 埼玉医科大学 (2000) |
研究代表者 |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
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研究分担者 |
濱野 真二郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70294915)
肥後 広夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80117225)
曽根 敏雄 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20281743)
菊池 三穂子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40336186)
姫野 国祐 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50112339)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | クルーストリパノソーマ / シャーガス病 / 遺伝子 / 多様性 / 慢性シャーガス病 / 病型 / HLA / 遺伝子交換 / Electrocardiogram |
研究概要 |
本研究は、中南米に広く蔓延するシャーガス病の病理病態解明を目指した。 メキシコでは国立心臓病研究所を研究拠点とした。プエブロとチアパス地方の抗体陽性率及びシャーガス病に特有な心電図異常について調査し、特にChiapasにおける感染率が高かった。同時に、感染者のうち心電図異常を示す者の割合は、感染率に関係なく一定である事から、感染強度よりは宿主側の遺伝素因が病態形成に重要である事が示唆された。 グアテマラのサンカルロス大学との共同研究として患者由来分離株を多数用いて、南米との比較検討を行った。肥後らは、アイソザイム解析により遺伝的な多様性を解析し、原虫集団中で遺伝子交換が行なわれている事を示した。曽根らは、タンパクの二次元電気泳動像より、中南米に4系統のかなり大きなグループが存在する事を報告した。また、Muらは、ペルーとグアテマラにのみ観られる4株の感染性が2つのパターンに分離する事を見出した。 ボリビアでは2年目よりサンタクルース市の国立熱帯医学研究所、日本病院等との共同研究として、シャーガス病の3つの病態、消化器疾患、心臓病及び無症候群の患者の血液サンプルを収集し、これらのグループの遺伝的相違についてゲノム解析を行うプロジェクトを開始した。 パラグアイのアスンシオン大学との共同研究として西部の原住民居住地のシャーガス病について調査した。HLA領域の解析では、クラスI遺伝子の特徴として特別なMIC欠損型のタイプが多数存在する事が明らかとなった。サシガメの感染率がほぼ100%の村について、血清検査を行い、通常の抗体検査陰性だが、トランスシアリダーゼ反応阻止抗体陽性という特徴的なパターンを示す住民が多数認められた。これらの人々は、心臓病に感受性傾向を示した。
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