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2002 年度 実績報告書

アフリカのHIV/SIV・HTLV/STLVの遺伝子解析-その起源と進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12376002
研究機関京都大学

研究代表者

井戸 栄治  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183176)

研究分担者 市村 宏  金沢大学, 医学部, 教授 (10264756)
伊吹 謙太郎  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
速水 正憲  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
武久 盾  金沢大学, 医学部, 助教授 (90322114)
キーワード霊長類レトロウィルス / HIV / SIV / AIDS / 中央アフリカ / 遺伝子解析
研究概要

本年度(平14)は、カメルーン、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国の3ヶ国に対して霊長類レトロウイルスに関する海外調査を行った。アフリカ中央部の森林地帯には、周辺の農村に居住する多数のバンツー系黒人とは人種的にも文化的にもかなり異なった少数民族ピグミー族が主に狩猟を糧として暮らしている。そのような環境下でエイズのような感染症がどのような経路で伝播するのかを明らかにするために、カメルーンおよびコンゴの奥地農村部において各部族併せて約820名の成人についてHIVの血清学的並びにPCRによるスクリーニングを行った。その結果、カメルーンのピグミー族450名より3例のPCR陽性者を発見、そのenv領域の遺伝子解析をしたところ、同国でもっとも蔓延しているいわゆるA/Gリコンビナント型が2例、もう一つも近年出現し始めたリコンビナントであることが判明した。またコンゴで各民族約100名ずつ調べた結果はピグミーが0、バンツーは3例のみに留まった。このことは同ウイルスの伝播経路について、おそらく狩猟等により野生のサル類から感染したのではなく、バンツー族社会に拡がっているウイルスが、ピグミー族社会にも浸潤しつつある瀬戸際であることを示している。ただしPA法の検査では各部族共に10数%の陽性率があり、それらはWestern blotでも1型とも2型とも異なる反応を示し、既知の型とは異なるウイルスの存在の可能性が示唆された。またコンゴおよびコンゴ民主では、20数頭のドリル、マンドリル、その他のサル類から検体が集められウイルス分離が試みられた。その結果、コンゴ民主のBlack mangabeyが陽性反応を示し、PCRにて遺伝子を一部解析したところ、これまで知られたどのSIVとも遺伝的にかけ離れていることが分った。新しいウイルスが分離された可能性が考えられ、現在配列分析の領域を拡げてこの点の確認を急いでいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Taniguchi Y., Takehisa J., Bikandou B., et al.: "genetic subtypes of HIV type 1 based on the vpu/env sequences in the Republic of Congo"AIDS Res. Hum. Retroviruses. 18. 79-83 (2002)

  • [文献書誌] Ndembi N., Yumo H., Takehisa J., et al.: "HIV-1 infection in Pygmy hunter gatherers is from contact with Bantu rather than from nonhuman primates"AIDS Res. Hum. Retroviruses. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2014-05-20  

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