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2003 年度 実績報告書

アフリカのHIV/SIV・HTLV/STLVの遺伝子解析-その起源と進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12376002
研究機関京都大学

研究代表者

井戸 栄治  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183176)

研究分担者 市村 宏  金沢大学, 医学部, 教授 (10264756)
伊吹 謙太郎  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
速水 正憲  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
キーワード霊長類レトロウイルス / HIV / SIV / AIDS / 中央アフリカ / 遺伝子解析
研究概要

アフリカ中央部に流行するHIVの遺伝子型は複雑多様で、こうした実態を正しく把握すること、またその中からどのような型が拡大しつつあるのか変動の最新状況を明らかにすることは、エイズウイルスの起源と未来を推測する上で極めて重要である。こうした理由から、本年度(平15)も例年通り、カメルーン、コンゴ、コンゴ民主の3ヶ国に対して霊長類レンチウイルスに関する海外調査を行った。先ずコンゴの中西部と北東部、それぞれの森林地帯に居住するバンツー系住民と少数民族のピグミー族併せて256名の一般健常成人について、HIVの血清学的並びにPCRによるスクリーニングを行った。その結果、バンツーより11名(陽性率約8%、内訳は中西部4名で北東部7名)、中西部のピグミー1名がHIV-1陽性であった。envV3領域の遺伝子解析の結果は、A型3例、G型3例、H型2例、その他2例、未分類(U)型2例であった。これは都市域に拡がっている遺伝子型の分布とほぼ同じである。ピグミーの陽性者については、昨年我々が初めてカメルーンから見い出し、これを報告したが、コンゴからは初めてである。ちなみにその遺伝子型はG型であった。これは都市から農村へとエイズがますます拡散しつつあり、ピグミー族にまで及んだものと考えられた。この他、コンゴ民主からは、コンゴ川下流域の一般健常成人46名の検体を集めることができた。この内5検体がHIV-1陽性であり、これまでこの地域からの報告はされたことがないので、遺伝子解析の結果が待たれる状況である。それから、コンゴ両国に生息する種々のサルから合計55検体が集められた。その内、コンゴ民主のBlack mangabeyがSIV陽性反応を示し、PCRにてpol遺伝子2kbの増幅に成功、分子系統解析したところ、既知のどのSIVとも遺伝的にかけ離れている新種のウイルスであることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ndembi N, Habakkuk Y, Ido E, Hayami M, Ichimura H, et al.: "HIV type1 infection in pygmy hunter gatherers is from contact with Bantu rather than from nonhuman primates"AIDS Res. Hum. Retroviruses. 19(5). 435-439 (2003)

  • [文献書誌] Takemura T, Hayami M.: "Phylogenetic analysis of SIV derived from mandrill and drill"Front. Biosci.. 9. 513-520 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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