研究課題/領域番号 |
12410005
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
坂出 祥伸 関西大学, 文学部, 教授 (30067574)
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研究分担者 |
山里 純一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50166659)
内田 慶市 関西大学, 文学部, 教授 (60115293)
頼富 本宏 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50065934)
鄭 正浩 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (00236960)
大形 徹 大阪府立大学, 大学院・文化学研究科, 助教授 (60152063)
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キーワード | 東南アジア華人街 / 現地人との融合 / 九皇爺 / 金門島 / 鎮宅符 / 晋江 / マニラ / シーサー |
研究概要 |
平成13年度は合計4回の調査研究を行った。先ず、8月24日から9月2日の10日間、バンコク、ペナン、マラッカ、クアラルンプールの華人街を調査したが、どこでも予想外に多くの辞邪呪物が見られ、特にバンコクではどの民宅でも2〜4種の呪符を貼っており、中にはタイ文字で書かれたものもあった。それらは当地の道観で発行されたものである。マレーシアは主として福建人の移住地であるが、媽祖や清水祖師などのような福建系の信仰の外に、九皇爺や拿督公のような独自の信仰もあり、現地人との融合が見られる。呪符もまた、そのために福建系と独自のものがある。第2回は12月21日から28日までの8日間、台湾の金門島と鹿港を調査した。金門島では台湾本島でも大陸でも見られない鎮宅符が残っていて、民宅や宮廟、宗廟の五方の上下に置かれている。こういう鎮宅符のルーツと拡がりは今後の研究課題である。第3回は1月26日から28日まで沖縄の有名なシーサーの雌雄についてインタビューした。第4回は2月21日から15日まで福建省晋江市に行き、明年度に調査を予定しているフィリッピンのマニラの華人街との関連で、マニラ華人の出身地の状況についての知識を得ることと晋江の道教関係の有力者の紹介を得ることが目的であったが、幸いに晋江市道教協会会長にお会いできてマニラの道観を紹介していただけた。東南アジアの華人たちが、本土では失われた風習や信仰を大切に保存していることを知ったのは、今年度の最大の収穫であった。
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