研究概要 |
これまで『ヴィスッディ・マッガ』を含め、初期仏教文献の重要な原典テキストはパーリ文献協会(PTS,Oxford)より計画的に発行され、研究者に多大の便宜を供してきた。しかしながら、これらの原典テキストには語彙索引が殆ど付されていないのが現実であり、付されている場合でも不完全で誤りが多く、完全な語彙索引が研究者に切望されている。 平成12年度は,『ヴィスッディ・マッガ』の語彙索引作成のため,2冊のテキストについて,入力ミスとテキストエラーの修正を終わり,PTS版電子化テキストを作成できた.その結果に基づき,予備的な語彙索引を作成し,その結果について吟味している.できるだけ早期の索引完成を目指している。また,全6冊からなる『ジャータカ』の語彙索引については,現在全巻の索引の最終チェックに入っており,本年9月にPTSより出版できるように準備中である. さらに,初期仏教文献の重要な4冊の原典テキストTheragatha,Therigatha,Suttanipata,Dhammapadaの総語彙索引,及び仏教混淆梵語聖典Pratimoksasutramの語彙の正順及び逆順索引を中央学術研究所から出版した.また,論文"仏教混淆梵語テキストのデータベース構築"等を当該分野の研究会(人文科学とコンピュータ研究会等)で発表した.山崎は索引作成で得られた知見に基づき,論文"初期ジャイナ教聖典における頭陀"を印度学仏教学研究に発表している.
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