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2000 年度 実績報告書

文化的自己主張の歴史と現在の諸様態-ドイツおよび東アジアを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 12410011
研究機関大阪大学

研究代表者

三島 憲一  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70009554)

研究分担者 宮田 敦子  大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (90157652)
大貫 敦子  学習院大学, 文学部, 教授 (70176957)
木前 利秋  大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (40225016)
キーワードアイデンティティ / 文化的自己主張 / 記憶 / 消費 / 在外中国人 / 在外韓国人 / 日系人
研究概要

本年度は、研究分担者および参加者による資料の収集と分析結果の報告が中心となった。統一ドイツにおける若者の右傾化に関する資料を政府の資料館や、メディアから収集し、分析し、近代化論、グローバル化論などのモデルの有効性を検証した。同じく、日本、中国、韓国に関しても集めた資料を、世界システム論やグローバル化、そして記憶と表象に関する議論と関連づけて分析した。結果としては、知識人の議論だけではなく、一般市民の消費活動とナショナリズムが不可分の関係にあることが明確になった。他方で、中国や韓国の場合は、外国に居住する中国人や韓国人による自らのアイデンティティに関する議論が、本国の議論にフィードバックされて、ナショナリズムの強化に寄与している側面が浮かび上がった。これは、かつてヨーロッパ以外に居住しているヨーロッパ人にも見られたことなので、それとの比較が緊要の課題となった。また、日系人の議論が日本内部にあまり跳ね返ることのない理由をも考える必要を生んだ。
また、西欧諸国からの文化的インパクトが、文化的自己主張を生み出す構造が、日本、韓国、中国で酷似していることも明らかとなったが、自己主張が依拠する内容に大きな差があることの理由は今後の考察の課題となった。日本では伝統的な美の世界が大きな論拠になったが、中国では、西洋より早いとされる過去の科学的成果がその論拠となり、韓国では、韓国語と李朝の優れた統治制度が心理的支えとなっている。この違いの由来は次年度で検証する予定である。

研究成果

(6件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] Kenichi Mishima: "Spurensicherung mit Ruckschlussen, aber ohne Prognose. Zur Re^2 zeption der deutschen Philosophie in Japan."Blane Blatter. 6-13 (2000)

  • [文献書誌] Kenichi Mishima: "Nietzsche in Japan from Right to Left-Rethinking of the East-West Dichotomy in Entangled Modernity"Zeitschrift Europe. 569-589 (2000)

  • [文献書誌] 三島憲一: "ドイツにおける公共性の二度の構造転換"第22回公共哲学共同研究会報告書. 133-147 (2000)

  • [文献書誌] 大貫敦子: "名づけ/パフォーマティヴィティ/パフォーマンス"現代思想. 28・14. 162-171 (2000)

  • [文献書誌] Atsuko Onuki: "Sexualitat, Macht und Sprache"Deutsche Literatur. Nr.105. 15-23 (2000)

  • [文献書誌] 木前利秋: "「活動的生活」論再考"情況. 5月号. 83-93 (2000)

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公開日: 2002-04-02   更新日: 2016-04-21  

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