研究課題/領域番号 |
12410012
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松居 竜五 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (40238952)
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研究分担者 |
千本 英史 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究部, 助教授 (50188489)
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
川島 昭夫 京都大学, 総合人間学部, 教授 (00128779)
吉川 寿洋 国立和歌山工業専門学校, 教授 (30043532)
萩原 博光 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究官 (90100932)
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キーワード | 南方熊楠 / 民俗学 / 植物学 / 生態学 / 英国図書館 / 説話学 |
研究概要 |
2001年7・9月、2002年1・2月に本研究の全メンバーを含む調査チームによる南方熊楠邸の調査を行った(後半2回の際の調査補助一名分を除いて本科研からは支出せず)。全体の進行に関して、7月・9月・12月に全メンバーによる会議を行った(12月のみ本科研より支出)。また、東京在住のメンバーによる研究会を原則月一回、関西在住のメンバーによる研究会を原則月二回行った(ともに本科研よりは支出せず)。こうした調査・研究会関連の情報交換のために南方熊楠資料研究会ホームページwww.aikis.jp/~kumagusu、メールマガジン「ミナカタ通信」(本年度は3回発行)などを活用した。以下、本科研による個々の作業について時系列順に記す。 6月に千本英史・飯倉照平(都立大学名誉教授)が英国・アイルランドに出張し、英国図書館などで南方熊楠関連の和漢書籍を調査した。この結果は、千本英史による関西での研究会における発表や、飯倉照平「南方熊楠と大蔵経」(『熊楠研究』第四号、2002年3月)などに活用されている。『南方熊楠全集』の編集担当であり熊楠資料の整理を長年続けていた長谷川興蔵の遺稿をまとめ、8月に本研究の研究成果報告書として出版した。7月に土永浩史(南紀高校教諭)・山本誠二(日本苔学会員)10月に松居竜五・小泉博一(京都工芸繊維大学教授)が国立博物館つくば実験植物園に出張し、熊楠の「隠花植物」関連標本・スケッチを調査した。この結果、6000点を超える菌類のスケッチに関して、劣化が激しく至急デジタル複製化が必要であることが判明したが、本研究ではその規模をとうていカバーできないため、小泉を研究代表として来年度の学術振興会基盤研究に新規応募することを決定した。2月に松居を中心として英文草稿読解のための研究会を開き、日本古典文学英訳関連の翻字を行った。以上のさまざまな研究を踏まえ、3月に刊行した『熊楠研究』に、メンバー6名のうちの4名が論文、1名が書評を発表した。同号には、他にも前記の飯倉照平、小泉博一、東京での研究会メンバーの論文や翻字などが発表されており、全体として本科研による研究が有機的に結合したものとなっている。また、12月には萩原博光が埴物学の観点から、2月には小峯和明が説話学の観点から奈良女子大学における連続講演会「南方熊楠に学ぶ」において、本科研の成果を踏まえた講演を行った。
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