研究分担者 |
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
藤井 恵介 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50156816)
川村 知行 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10153016)
木俣 元一 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (00195348)
小池 寿子 国学院大学, 文学部, 助教授 (80306901)
|
研究概要 |
今年度は3回の研究会を開催し,今後の研究方針についての打ち合わせと並行して,各研究分担者及び研究協力者による研究発表と討論を行った. 第1回は,分担者と協力者全員により各自が関心を有する問題について簡潔に紹介し質疑応答を行った.第2回は,とくに仏教美術史と国文学を専門とする3人による研究発表とほかの分担者の参加により,観想と美術の関係などの諸相について討論を行った.第3回は,講師としてビザンティン美術史を専攻する益田朋幸氏を招き,キリスト教美術史を専門とする2人による研究発表とほかの分担者の参加により,聖餐の秘蹟と深い関係を有するスタヴロの携帯用祭壇とビザンティンにおける典礼と写本装飾の関連について討論を行った.これらの研究発表と議論を通じて,仏教美術とキリスト教美術を宗教的実践という視点から比較研究する際の多様な問題点が提示されると同時に,研究上のさまざまな可能性が豊かに示され,しばしば興味深い有益な議論が展開した.仏教とキリスト教美術は,同じ宗教美術としての共通性や比較の基盤となる部分を共有しているため,専門は異なるとはいえ,かなり高度な議論が相互に成り立つことが明らかとなった.今後の課題としては,扱う問題をさらに限定し,仏教美術とキリスト教美術の比較による議論を焦点をはっきりさせながら内容を深化させてゆくことが挙げられる.来年度は報告書の執筆と提出へ向けてより研究を具体化させることが確認された.
|