研究課題/領域番号 |
12410022
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研究機関 | 奈良国立博物館 |
研究代表者 |
阪田 宗彦 奈良国立博物館, 学芸課, 学芸課長 (20000375)
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研究分担者 |
岩田 茂樹 奈良国立博物館, 主任研究官 (20321622)
梶谷 亮治 奈良国立博物館, 企画普及室長 (40152649)
鷲塚 泰光 奈良国立博物館, 館長 (80191740)
井上 一稔 同志社大学, 文学部, 助教授 (40193578)
山崎 隆之 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60015279)
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キーワード | 日本上代 / 仏像 / 彫刻 / 荘厳 / 光背 |
研究概要 |
平成12年度に進められた研究の概要は以下の通りである。 まず7月17日に研究分担者が集合し、日本上代仏像彫刻における荘厳の様相を考える上で最も重要な資料の一つである聖林寺十一面観音像光背の、想定復元図の作成に向けた作品精査ならびに基礎資料の整備に、本年度の活動の最大の重点をおくことで合意をみた。 この合意に沿って、研究分担者のうち彫刻を専門とする者を中心に、同光背の裏面及び部分も含めた写真撮影、X線写真の撮影、原寸大実測図の作成、復元案作成に際して参照すべき関連作品についての資料の収集・整理などの作業が行われた。中でも今回初めて行われた裏面の調査で、裏面の文様が表面の欠失部の復元に資する情報を含んでいることが判明した点は、大きな新知見といえる。次年度は同光背のデジタルマイクロスコープによる材質分析、復元案の検討などを行う一方、調査対象を他作品にもひろげて資料を拡充し、本研究のさらなる進展をめざす予定である。 3月10日には研究分担者が再度集合し、午前に研究打合せを実施し、本年度の総括を行うとともに、実測図を前に聖林寺光背の復元案についての意見交換が行われた。午後には研究討論会を開催し、韓国より姜友邦氏(梨花女子大学教授)及び鄭于澤氏(韓国美術研究所副所長)の両名を招聘して関連テーマで研究発表を行っていただき、研究分担者との間で、日韓古代の仏教美術における荘厳の様相について活発な討論が行われた。 また一年間を通して研究分担者は各自、研究計画調書に記した分担に沿って、当館を拠点に各地で作品調査ならびに資料収集にあたり、当該テーマについての検討を行った。
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