研究課題
平成14年度に進められた研究の概要は以下の通りである。まず9月初旬に研究分担者が集合して打ち合わせを行い、年度内の方針が決定された。9月以降、法隆寺にて伝法堂光背(三面)を調査、さらに奈良国立博物館に搬入してエックス線撮影を行うなど、関連遺品の調査研究を行った。またこれと併行して、12年度以来作成を進めてきた聖林寺十一面観音像光背の原寸復原図案を、聖林寺現地で像にあてた上で修正を加え、最終的な確定案を完成させた。また昨年度、東大寺二月堂本尊光背の原寸トレース図を拓本から作成したが、図にややゆがみが生じる点に鑑み、改めて原品から直接トレースの上、これを描き起こす作業を行って、従来にない高精度の図面を最終的に完成することができた。3月8日には研究分担者が再度集合し、3年間の研究を総括するとともに、韓国より閔丙贊氏(国立中央博物館)、金有植氏(同)の両名を招聘して国際研究集会を開催し、日韓両国における仏像荘厳の様相について、活発な討論が行われた。また一年をとおして研究分担者は各自当該テーマについての調査研究にあたり、論考の執筆を行った。3月31日には過去3年間の成果をとりまとめ、「調査研究篇」「論考篇」「国際研究集会報告」の三部からなる研究成果報告書(200頁、聖林寺光背の復原図案と二月堂光背のトレース図の、大判の別刷を付す)を刊行した。
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