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2002 年度 実績報告書

乳幼児期における情動制御機能の発達とその病理に関する基礎研究―満期産健常児と早産児の比較を通して―

研究課題

研究課題/領域番号 12410023
研究機関北海道大学

研究代表者

陳 省仁  北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20171960)

研究分担者 星 信子  北海道浅井学園, 短期大学部, 助教授 (20320575)
高谷 理恵子  福島大学, 教育学部, 助教授 (90322007)
氏家 達夫  名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (00168684)
山口 真美  中央大学, 文学部, 助教授 (50282257)
金沢 創  淑徳大学, 社会学部, 講師 (80337691)
キーワード情動制御 / 乳児 / 全身運動 / 2次元運動軌跡 / 周期性 / 泣き / フォルマント / 皮質下制御 / 抱き
研究概要

1.情動制脚や認知発達を支える基礎的な発達として、乳児は母親からの刺激に応じて自らの状態を調整していく過程がある。乳児の状態を把握する1つの方法として、表出される運動に注目し、母親が声をかけることにより乳児の行動がどのように変化するのかについて検討した。仰臥位における乳児の全身運動を、寝返りまでの期間、隔週でビデオに録画した。ビデオ記録時には、乳児の手足に4カ所に反射マーカーをつけた。ビデオ記録をパソコン上に取り込み、画像処理を行い、四脚の反射マーカーをもとにした2次元の運動軌跡を得た。得られた軌跡から運動の複雑さについて解析したところ、自宅における乳児は複雑に動き、その運動軌跡の予測は難しいことが確認された。母親からの声かけに対する乳児の行動の変化は多様であった。今後は、母親からの声かけに対する乳児の運動の周期性、及び運動の促進・抑制に現れる変化を整理し、後の情動制御との関係を検討する必要がある。
2.乳児の泣き声のフォルマント構造の発達:乳児の泣き声の発達過程を、フォルマント構造に着目して分析した。フォルマントごとの音の大きさを計測した結果、第一フォルマントの大きさは、発達的にほとんど変化しなかったが、第二フォルマントにおける音の大きさの値は、乳児の日齢の増加につれて減少した。特に3ヶ月をすぎた乳児に顕著であった。このような発達的変化は、乳児の泣き声が、皮質下の制御による機械的な音声から、意図的な音声へと発達していくことを示唆していると考える。
3.22名の対象児の生後6週から30週まで隔週約1時間の家庭での観察から、児の泣きやぐずりの介入として児を抱き上げる母親の行動(発声及び身体的動き)を記録したテープ12人分を分析した。早期より母親が児の抱かれたことに対する反応である発声や身体的反応及び表情などを手掛かりにして、抱き方や自分の姿勢を変え、児ときめ細かい調整的相互交渉を行っていることが分かった。12人の母親の個人差や児の発達に伴った変化をも見られある程度の分類は可能である。これらの個人差などは各ペアの愛着関係を反映す声ことを示唆する。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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