研究概要 |
(1)電極近傍の全てのニューロン活動をもれなく検出するための特殊なテトロード電極をさらに改善した。これまで最小の8ミクロンのタングステン・ワイヤーを用い,それを内径100ミクロンのステンレスチューブに12入れることで,10個近いニューロンを確実に同時記録することができた。この特殊電極をDozentrodeと名付けた。 (2)電極が入ったステンレスチューブを複数本装着し,個々のチューブ(12本の電極)を独立に操作できる小型のマイクロドライブを設計し作製した。またそのマイクロドライブに接続する,より小型でノイズフリーのディジタル方式ヘッドアンプを製作した。 (3)これら電極,マイクロドライブ,及びヘッドアンプで導出した多数のマルチニューロン活動jから個々のニューロン活動を正確に分離する方法として,独立成分分析法(ICA)をさらに改良したリアルタイムICA方式を開発し,そのプログラムを組み込んだ自動的データ解析システムRASICA(Realtime and Automatic Spike-sorting with ICA)を完成させた。 (4)これら記録・解析システムを用い,順序情報を含む記憶課題を行っているラットの海馬からマルチニューロン活動を記録した。これまでの結果から,課題を行っている際,個々のニューロン活動だけでなく,ニューロン間の機能的結合もミリ秒のオーダーで素早く変化することがわかった。
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