研究分担者 |
中村 浩 北星学園女子短期大学, 生活教養学科, 教授 (20136956)
横田 正夫 日本大学, 文理学部, 教授 (20240195)
利島 保 広島大学, 教育学部, 教授 (20033566)
山崎 晴美 日本大学, 歯学部, 助教授 (90174656)
陣内 利博 武蔵野美術大学, 造形学部, 助教授 (80298025)
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研究概要 |
本研究は,運動視覚対象の生体動作認識と感情効果の生成条件を明らかにすることを目的とする.本年度は(1)point-lights display,(2)仮現運動およびアニメーション映像に関わる生体知覚,および(3)生体感情の3部門に分かれ,分担者は以下の研究を行った.(1)について,鷲見はPLW(point-lights walker)図の下半分左右反転図による性別および年令判断が正常PLM図の結果と類似していることを示し.小出・野村・戸沢はPLWの側面図が背面図に比べて性別判断の正答率が有意に低いことを明らかにした.中村は生体非生体運動刺激間比較により生物学的運動情報がもたらす活動感分析の新たなアプローチを検討し,利島はダンス動作の感情表現の認知を健常者と脳損傷者で比較するための実験的検討を行った.(2)について,山崎は仮現運動知覚とアニメーション技法知覚との異同に注目し生体動作表現法についての分析を行った.(3)について,大山・野村は点運動映像における運動点刺激の振幅変化が生命感判断に影響することを明らかにし,横田・野村はアニメーション映像における歩行の情緒的表現を検討して自然・不自然,軽快・鈍重という2因子の寄与率が高いことを見出した.陣内・小出は,アニメーション映像の解析を通じて映像に生命感を賦与する諸要因の分類を進めている. 本年度は「生命感(生き物の感じ)を与える運動情報とはどのようなものか」を共通課題とし,各分担者は実験データの獲得および資料の解析を行った.次年度も引き続き「生体知覚と感情」の実験的検討および資料の解析を進め,得られた各分担者の研究成果を統合して「知覚と感情の相互作用性」の考究を一層深める予定である.
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