研究課題/領域番号 |
12410038
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
柏木 惠子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (10086324)
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研究分担者 |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
伊藤 美奈子 御茶ノ水女子大学, 生活科学部, 助教授 (20278310)
古澤 頼雄 中京大学, 心理学部, 教授 (00060632)
菅野 幸恵 白百合女子大学, 文学部, 助手 (50317608)
大野 祥子 村山女子短期大学, 講師 (70286889)
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キーワード | 社会変動 / 家族 / 個人化 / 関係性 / 感情 / 文化間比較 / 文化内比較 / 世代差 |
研究概要 |
本研究は、<社会変動-家族の変化-個人の発達>モデルと文化心理学的視点に立って、自己観と家族および社会における役割関係/行動・言語的非言語的コミュニケーション行動の特質との相互規定関係の構造を日本内および日米の文化間について実証的に明らかにすることを目的としている。著差を実施するにあたり、まずモデルの理論的実証的妥当性について検討した。その上で(1)自己観および非言語的コミュニケーションとしての感情(2)「個人化」と家族の役割関係について検討することとなった。 (1)自己観および非言語コミュニケーションとしての感情について、日米比較、および日本内比較資料を収集した。具体的には、日米男女大学生および社会人を対象として、人々の日常生活における感情経験、特に日常的感情経験の対象、原因、状況、表出方略などを構造的にインタビューした。恥、対人的嫌悪、自己肥大という3つの社会的感情に関して、いずれの場面においても、日米の間で違いが見出された。また、男女差、年齢差も各文化において見いだされ、以上のことから、感情の文化的要因についての研究の必要性が示唆された。次に、これらの具体的エピソードから、感情生起場面のシナリオを4つ作成した。日米大学生80名にそのときの対処行動を同定するための質問紙を実施し、分析を行っている。 (2)社会・家族の変動および個人の生活面の変化が個人化志向につながることについて、家族観、現実の家族生活、親子間の感情との関連から検討することとなった。調査対象は世代差についても考慮し、育児期の夫婦(30代)と大学生とその両親(50代)とした。育児期の夫婦には「性別分業に対する夫婦の意識」を、大学生とその親には「家族生活の理想と現実が家族に対する感情に及ぼす影響について」検討することとなった。調査をはじめるにあたり、予備調査として「個人化」尺度の確定のための調査を行った。現在、尺度確定に向けて分析を行っている。確定後、「個人化」尺度とその他の関係変数を盛り込んだそれぞれの対象者向けの質問紙を作成し、調査を行う予定である。
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