1)教育プログラムの開発:言語教育プログラムについては、8ブロックから成るひらがなの書き方の教育プログラム及び8ステップからなる語彙・意味論的教育プログラムを、認知発達促進プログラムについては図形・空間プログラムを開発した。 2)学習障害の危険性の高い年長幼児に対する実験的教育訓練:2001年2-5月に7幼稚園、保育園約180名を対象に実施した診断調査の結果、見つけ出された学習障害の危険性の高い年長幼児11名に対して、2001年5月-2002年3月に、開発してきた教育プログラムによって、基礎的な読み・書き能力の習得とLDの危険性の予防を目的として、各毎週2回の割で、個別的な指導と訓練を実施した。 3)就学準備性検査の開発と健常6歳児を対象にした就学準備性に関する調査:2)の学習とLD予防の教育効果を評価するため、就学直前の健常6歳児の就学準備性の基準値を得る必要性が生じたため、新に10種のテストからなる就学準備性検査を作成し、約60名の就学直前の健常6歳児を対象に、個別テスト方式で検査を実施し、基準資料を得た。4)個別診断検査の改善:本年実施した資料を分析すると共に、ロシア教育アカデミー会員ルボウフスキー教授を招聘し、診断検査の構成について助言を求めた。 本年度春に第二次診断実験調査を実施する予定でいたが、上記の3)の調査実施の都合上、来年度5月に延期した。上記の諸資料を分析の上、11名の各幼児に対するLD予防効果を評価し、来年度の教育の計画(教育継続の有無も含む)を立てる予定である。
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