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2001 年度 実績報告書

地域ケア・システムの社会学的比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 12410043
研究機関東北大学

研究代表者

永井 彰  東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90207960)

研究分担者 小松 丈晃  日本学術振興会, 特別研究員
徳川 直人  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10227572)
佐久間 政広  東北学院大学, 教養学部, 助教授 (30187075)
山尾 貴則  東北大学, 大学院・文学研究科, 助手
近藤 博文  東北大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20312522)
キーワード社会的ケア / 地域社会 / 地域ケア / ドイツ / 介護保険 / 施設ケア / 在宅ケア / ユニットケア
研究概要

本年度の現地調査により下記の点が明らかになった。
(1)長野県武石村の事例においては、介護保険の導入と、特別養護老人ホームの整備が地域ケアのあり方に微妙に変化を生じさせていた。1)従来、村の在宅介護支援センターがケアマネージメントの機能を担ってきたが、介護保険制度は、民間のケアマネージャーも参入し、村がケアサービスの全体を把握できなくなった。2)従来デイサービスには、送迎の補助やレクリエーションの手伝いとして、ボランティアグループが参加していたが、介護保険のもとでは、送迎の体制が変化していたことなどにより、ボランティアは関与度を低めざるをえなくなった。3)武石村の特別養護老人ホームは、ユニットケアを採用しケアの質の向上にも一定の配慮を払うなど、現状では一定の評価を与えうるものである。だが、施設ケアの整備によって、在宅サービスの利用者が減少しているとも受けとめられていた。
(2)ドイツのフランクフルト市およびミュンヘン市における現地調査によって、ドイツの地域ケア・システムの特質を以下のとおり把握した。1)ドイツにおいても、高齢者福祉への費用支出を抑制しつつ、なんとか高齢者へのケアサービスを供給しようとしていた。この点において、ドイツと日本は類似した状況にあった。2)地域格差を生じさせないシステム作りがめざされていた。どこの場所で生活していても、同じ必要度の人には同じだけのケアが平等に受けられるようなシステムが構築されていた。日本と同じように介護保険制度を採用していても、この点は大きく異なっていた。2)ケアの質の確保において、人権保護という考え方や制度が機能していた。日本では、「流れ作業的ケア」がしばしば見られるが、ドイツでの現地調査ではそうした事例は観察されなかった。3)居住部分にたいする保障が手厚かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 永井彰, 菅原真枝: "大都市地域における地域ケア・システムの現状と課題ー東京都足立区千住地域における健和会の取り組みを事例としてー"文化. 65巻1・2. 99-115 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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