研究課題/領域番号 |
12410044
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 満 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70171527)
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研究分担者 |
大坪 正一 弘前大学, 教育学部, 教授 (80194215)
新妻 二男 岩手大学, 教育学部, 教授 (80125476)
星山 幸男 東北福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10219181)
松岡 昌則 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70111242)
佐藤 利明 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (10215816)
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キーワード | 東北社会 / 社会変動 / 市民活動 / 高齢化 / 定住外国人 / 子育て / 市民権 / 社会運動 |
研究概要 |
高齢化社会の到来に伴う介護問題や地域社会の存続の危機という問題、定住外国人の増大と社会的権利の保障をめぐる問題、社会的な争点としての開発と環境問題などの諸問題が噴出している。こうした諸問題は、一方では、これまでの国民国家を前提としてきた社会諸制度の枠組みの再検討が迫られるとともに、他方では、福祉国家的な社会保障のあり方、産業・近代社会の社会発展モデルや大量消費型文化が、鋭く、かつ根底的に問われつつある。本研究は、東北社会をフィールドに、こうした諸問題の現状の解明と、その解決をめざす市民活動の意義と役割を実証的に解明することを課題としている。その成果の要点は以下のようである。 (1)東北社会では高齢化の進行や、そこから生じる介護問題や地域解体などが深刻であるが、くわえて、こうした背景のなかで国際結婚等をとおして定住外国人の増大など特徴的な国際化が進行している。 (2)こうした諸問題に対して、行政との連携を模索しながら、多様な市民運動が活発に展開しつつあるが、その担い手は、従来の社会運動、労働運動や学童保育運動などの担い手との人的な重なりや結びつきのなかで展開されている。 (3)こうした社会運動の一つとして協同組合運動があるが、その経済的基盤であった消費活動をめぐる活動の停滞が見られる一方、医療活動、介護活動など社会的福祉活動へ重点が移行しつつある。 (4)新しいしい動きとして顕著なのは、こうした福祉活動とも連携する、いわゆる「まちづくり」「地域づくり」などの新しい市民層を巻き込んだ運動の広がりである。こうした社会運動のなかで、実践をとおした学びをとおして、主体的力量を高めており、社会参画にも広がりと深まりが見られる。
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