研究課題/領域番号 |
12410047
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
山崎 晶子 公立はこだて未来大学, システム情報学部, 講師 (00325896)
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研究分担者 |
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文学部, 助教授 (20323199)
葛岡 英明 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (10241796)
山崎 敬一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80191261)
井田 靖子(菅) 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (20312910)
内木 哲也 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (70223550)
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キーワード | 身体配置 / 手振り / 継起性 / 相互観察 / 継起性 / 遠隔的共同作業 / ロボット / 相互行為 |
研究概要 |
遠隔的共同作業の実現のために、社会学的見地と工学的見地から検討し、本研究ではジェスチャーマン、アゴラなどのインタフェースをつくり実際にデザインを行った。またその成果を実験するため、博物館でのガイド実験などを行った。またその比較対照として、社会学的な博物館での観客の行動の観察を行った。 基本的な社会学的観察としては、以下の5つの要素があげられる。相互の身体配置や配置の移動が適切に行えること、つまり適切な配置とは、相互観察や、対象物をみたり操作したりすることが可能な配置となる身体配置のことを示す。志向、いわゆる対話者や対象物の方向に顔や身体を向けられるとともに、その向きを対話者が観察できるような志向のことである。また、手振りも重要である。実物体を含む共同作業では手振りが重要で、それらが対象物との関連の中で実時間で利用できて、相互に観察されることができる。相互観察は、身体配置、志向、手振りが相互に観察できること。継起性は、身体配置の移動、志向の変化、手振り、相互観察が、時間遅れなく行えて、それらが時間遅れなく観察できること。この5つのキーワードに基づき、実際のインタフェースとしてレーザーポインターを備えた遠隔的操作型のロボットをジェスチャーマンとして開発し、実世界に存在する対象物にたいして適当な場所に位置し、手振りや志向を観察可能にするコミュニケーションメディアとしてのロボットを開発した。また、他方、プロジェクターを使った遠隔的書画システムを可能とするアゴラの開発にもその基本指針を応用した。また、ジェスチャーマンの実際の使用に関して、博物館でのガイド実験を行い、指差し棒やレーザースポット、ロボットの頭部の動きなどに関する観察可能性が有効に参与者に利用されていることが発見された。しかし、問題として、ロボットの操作者側のエコロジーとロボットと参与者側が存在するエコロジーが2重に存在することも指摘した。また、同時に観客の鑑賞活動の調査を行い、実世界でも、手振りや相互観察などの相互行為が有効な資源として使われていることを示すことができた。
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